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2023年7月14日(金)から7月17日(月)まで、「SOU・SOU 傾衣」向側の店舗にて空間演出デザイン学科の3年生が、伊勢木綿を使用した「貫頭衣」を制作し展示、販売を行いました。
この展示販売会は、2010年より毎年祇園祭の時期に合わせて四条河原町で開催しています。人気テキスタイルブランド「SOU・SOU」の代表で、空間演出デザイン学科 若林剛之先生と本学専任講師の伊藤正浩先生の指導のもと、デザインから染織、縫製などの工程を学生自ら手がけた、商品化したものを展示販売しています。開催期間中、学生自らが販売員として店頭に立つことで、制作した商品が、どのように受け入れられるのかを体験を通じて学びます。商品は毎年完売と、人気を博しています。
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今年度は、空間演出デザイン学科の3年生15名が「織の四季(しきのしき)」をテーマに貫頭衣を制作しました。

織の四季(しきのしき)
季節を着る。四季を大切にするSOU・SOU、手ぬぐいで季節の移ろいを感じるとともに、伊勢木綿という織物に「四季」と「京都」を感じられるようなものを。学生1人1人の考える「四季」が詰まった、十人十色な貫頭衣。
貫頭衣とは、弥生時代に着用されていたシンプルな構成の衣服で、袖と身頃が一続きになっており、広げると四角い布になります。今回の貫頭衣展では、学生たちがSOU・SOUから提供された15種類の柄の生地を選び、絵や染色、刺繍などの装飾を施し、個性豊かな貫頭衣を作り上げました。貫頭衣の種類は2種類あり、ワンピースのような縦長の形の長方形衣、Tシャツのような感覚で着られる四角衣です。
生地には伝統工芸品である伊勢木綿を使用し、ファッションを通して日本の文化や伝統産業の価値をお客様にお伝えし、それらを残していく方法を学生が自ら模索しました。


伊勢木綿:江戸時代から作られている三重県の伝統工芸品。単糸という、繊維によりをかけた1本の糸で織られている。またこの糸は弱撚糸という撚りかけ方が少ない糸で、糸の状態が綿に近くふんわりと柔らかい肌触りで、しわになっても元に戻りやすい性質を持つ。
「SOU・SOU」の代表で本学の准教授の若林剛之先生から学生たちの貫頭衣についてコメントをいただきました。
「いい感じに仕上がったと思います。昔は渋いデザインが多かったけど、今年は作品の数が多いし、かわいい感じのものが増えたように感じました。可愛らしさもありつつ、今年のテーマである「日本らしい四季をどうやって表現するか」というコンセプトから外れてないし、「織の四季(しきのしき)」と韻を踏んでいることも良いですね。作ることは誰にでもできるけど、自分自身が売りたい、というところまで表現をもっていくことも仕事の一つ。そのうえで頑張って商品をアピールしてもらいたいですね。」




店頭販売の運営はもちろん、オンラインショップの立ち上げや運営、SNS発信(https://www.instagram.com/sou.sou.kua)も学生自ら手掛けました。
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ゼミに参加した空間演出デザイン学科の3年生 田中優馬さんは、デザイン重視の服作りに取り組んだと言います。
「イタリアとかのデザイナーが着やすさや便利さよりもデザインを重視していたので、そのようなデザインを目指しました。機械刺繍で蝶をあしらったデザインになっており、刺繍の糸が長めで、光が当たりやすくなっていて綺麗に見えます。実は糸がほつれると修復が大変な扱いづらいデザインなので、売れるかなと心配しましたが、そこはデザインの魅力を知ってもらいたいと思い、デザイン性を重要視しました。普段はジュエリーを製作していますが、昔服を作っていたこともあって、久しぶりにゼミで服を製作してとても楽しかったです」
同じく空間演出デザイン学科の3年生 千賀香奈さんは、
「縫製はスムーズに進みましたが、波打っているフォントにしたことで、シルクスクリーンが難しかったです。日常使いで貫頭衣を気軽に楽しんで欲しくて、甚兵衛っぽさもあるので地元のお祭りにも着ていって欲しい。普段着や、部屋着みたいな感じでお手軽な着物になったらいいな」
ご購入された方は、京の暑い夏、毎日のワードローブに貫頭衣を取り入れて、涼を感じるのはいかがでしょうか。
開催概要 ※販売は終了しております
期間:7月14日(金)から7月17日(月)(店頭販売) / 7月18日(火)から7月27日(金)(オンライン販売)
場所:「SOU・SOU 傾衣」向側の店舗(京都府京都市中京区中之町578-4)
時間:12:00~20:00(最終日は18:00まで)
販売商品:貫頭衣(四形衣・長方形衣)4,000円~8,000円前後(税込)
公式Instagram:https://www.instagram.com/sou.sou.kuad
オンラインショップURL:https://kuasousou.stores.jp/
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