京都文化日本語学校では学期毎の行事として、年2回「文化デー」という体験授業を開催しています。 “言語を学習する”だけではなく、“言語で文化や歴史など様々なことを学習する”ことを教育理念とする京都文化日本語学校にとって、「文化デー」はまさにそれを特徴づけるイベントです。
2005年頃から始まったこの「文化デー」。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中止を余儀なくされたり、日本への入国が難しい学生に向けてオンライン開催されたりしていましたが、2023年度の今回は、「清水焼、華道、友禅染、漆器、日本舞踊、和菓子、茶道、和太鼓、畳」といった充実したラインナップで開催が実現しました。(和菓子づくり体験は、なんと4年ぶり!)この日を待ちわびていた留学生たちにとって、今年はどんな一日になったのでしょうか?それぞれのクラスの様子を覗いてみました!
心を込めた、とっておきの和菓子づくり
募集段階から大人気だった和菓子クラスでは、江戸慶応元年創業の京菓子の老舗「甘春堂」を訪れ、和菓子づくり体験を行いました。
今回与えられた課題は、「干菓子 きざと」「上生菓子 ういろ」「上生菓子 練り切り」「上生菓子 きんとん」の中から二つ選んで実際に自分の手でつくってみるというもの。繊細な造形が美しく、まるで芸術品のような魅力がある和菓子。和菓子職人さんが江戸時代から引き継がれている技術を優しく丁寧にレクチャーしてくださいました。
細かな手作業に四苦八苦しながらも、三角ベラの押し棒など職人道具をうまく使いこなし、無事和菓子が完成しました!自分でつくった和菓子、食べるのがもったいないくらい美しく、みなさん愛着が沸いているようでした!
世界に一つだけの自分の畳づくり
畳クラスでは、創業150年余りの「西脇畳敷物店・ニシワキ」の西脇一博さんをお招きし、日本の伝統的な住環境には欠かせない畳の文化を学びました。
体験授業の冒頭では、西脇さんが日本における畳文化やその歴史を紙芝居やクイズ形式で分かりやすくレクチャーしてくださいました。実は畳には湿度調整の機能があり、雨が多い日本に適した床材であること、また嫌な臭いを吸ってくれる消臭効果もあることなど日本で畳が発展してきた背景を語ってくださいました。
西脇さんがさまざまな畳をお持ちくださり、その種類の多さにみなさんとても驚いていました。
日本でも畳のある生活が少なくなっている今、西脇さんはさまざまな方に畳を楽しんでもらうために畳のスケボーやギター、滑り台に将棋なども制作されているとか!畳を使った珍しいグッズに学生は興味津々!
一通りレクチャーが終わると、学生が楽しみにしていた畳づくり体験。それぞれ一人ずつ小さな畳を制作しました。教室には畳のい草の良い匂いが広がり、まるで森の中にいるような気分に浸りながら作業に取り組みました。
西脇さんがたくさんの種類の畳縁(畳のへりに付けられている布)をお持ちくださり、好きな柄を選んで世界に一つだけの畳が出来上がりました!京都文化日本語学校の学生は畳に実際に触れることで、その魅力を存分に味わったようでした。
京友禅でオリジナルトートバッグづくり!
京友禅体験クラスは、明治38年創業の京友禅の老舗である丸益西村屋さんにお邪魔して、オリジナルのトートバッグを作ります。
友禅染は江戸時代に扇絵師が考案した染織品で、扇の柄を着物に応用したところ、人気が出たんだとか。今回はたくさんの型紙から自分で柄を選び、色も自由に選びながら体験ができるということで、みなさん真剣に柄を選んでいます。
柄を選んだら、型紙をバッグに固定して色付け開始。絵具をたっぷり塗るのではなく、かすれるくらいの少量をとって徐々に色を乗せていくのがポイントだそうです。
お手本の色を目指してグラデーションに挑戦したり、個性的な色でオリジナリティを出したり、みなさん楽しく色付けをされていました。
ここでちょっとインタビューを。
スウェーデン出身・トビアスさん
今回の体験はとても面白かったです。普段仲良くしているメンバーのグループ名の「わだめん」と、スウェーデン語で乾杯の意味の「Skål」は絶対に入れようと決めていました。かわいい柄も入れられて満足です。
香港出身・タツカさん(写真左)
花が好きなので、花のモチーフを中心に選びました。上のウグイスと梅の柄はかわいかったのでこれにしようと決めました。下の方の花は自分が好きな紫を使いましたが、色を選ぶのが大変で、時間が全然足りなかったです。
タイ出身・サクシャイさん(写真手前)
絵を描くのが好きなので、楽しかったです。自然が好きなので、植物と川の柄に決めました。
タイ出身・ナルドンさん(写真奥)
せっかくなので日本風の柄を選びました。初めての体験で難しかったけど面白かったです。
最後はみんなで集合写真を撮りました。オリジナルのトートバッグ、長く使ってくださいね!
京都の各地でさまざまな文化体験をした学生たち。日本の伝統文化に触れながら、日本語を学ぶ貴重な機会となりました。
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京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts
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