京都文化日本語学校では、2019年度以来、2年ぶりに京都芸術劇場 春秋座で発表会を開催しました。本校では新型コロナウイルス感染症拡大のため、長らく入国制限の影響がありましたが、2022年6月末にようやく全員の入国が完了し、200名余りの学生たちが日本での生活を楽しみながら学習に励んでいます。
この発表会は「演習授業」の発表会で、この授業がカリキュラムの核となります。色々なことを調査するためには読む力、聞く力が必要となり、それをまとめるためには書く力、発表するための話す力、それら全てを使わないと「演習授業」というのは成り立たちません。発表会に向けて、学生たちは日々の授業で力をつけていきます。まさにこの発表会が学びの集大成となるのです。
京都文化日本語学校には初級、中級、上級レベルがあり、留学生は日本語力に見合ったレベルのクラスに入学します。今回の発表会でもクラスごとに選抜された学生が、クラスの代表として発表会に臨みました。
当日は、初級から上級まで7クラス15名が、「お一人様の文化」「日本のヘアサロン」「和菓子の世界」など、留学生ならではの視点で多岐にわたる内容の発表を行いました。壇上で日本語を話したのは発表者だけではありません。司会もそれぞれのクラスに所属する学生が務めました。発表会を盛り上げようと、司会者のみなさんは衣装を工夫したりユーモアを交えながらの進行で、会場を沸かせていました。驚いたのは、発表会を盛り上げていたのが司会者ばかりではなかったことです。聞き手となる観客席の学生たちが、同じクラスの発表者を応援しようと、掛け声をしたり手製の応援ボードを掲げたりして、会場が一体となる雰囲気を作り出していました。
春秋座のホワイエには「青い空」と書かれた習字の作品が並べてありました。これは自由選択クラス「チャレンジ!習字」を受講する学生たちの作品で、発表会でお披露目したのでした。この「チャレンジ!習字」木曜日クラスの学生たちは、発表会の題字も制作。立派な看板ができました。看板のみならず、発表会のポスター制作や記録のためのカメラ撮影も学生が担いました。
閉会式では村田晶子校長より次のことばが贈られました。
あっという間に楽しい時間が終わってしまいました。前回ここで発表会ができたのが2020年の2月7日。ちょうど新型コロナウイルスという問題が出てきて、それが世界的な問題になり始めた頃でしたね。今日この春秋座で、やっと京都文化日本語学校の学生みんなが揃って発表会をすることができました。本当によかったなと今、あらためて思っています。
みなさんの発表からは、みなさんの国や街について学ぶことができました。それから、みなさんが日本のどんなことに興味を持っているのか知ることができました。そして、上級1の発表では、この瓜生山学園についても知ることができました。熱心に調べて、それをまとめて、一生懸命に発表の練習をしたんだろうと、そんな光景が目に浮かんできました。頑張ったのは発表者だけではありません。それぞれのクラスの司会を担当してくれたみなさんもそうでした。面白い司会もありました。司会のみなさんが心暖かい紹介をしたことによって、発表する人も自信を持ってこの舞台に上がることができたのではないかと想像しました。
この会場にいる全てのみなさんがクラスで発表をしました。その後、先生からフィードバックがあったと思います。そのフィードバックの中には、文法や発音など次の課題もたくさんあったと思います。その課題を達成して日本語の力がさらに伸びることを、私は心から期待しています。
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