キャラクターデザイン学科アニメーションゼミの学生5名が、大阪出身のシンガーHeli(ヘリ)の新曲「Paradise」のミュージックビデオ(MV)を制作しました。2022年6月1日(水)にMVが公開され、読売テレビ「今田耕司のネタバレMTG」の6月~7月のエンディングテーマとしてMVが使用されています。
Heli
大阪出身のSOUL/R&Bをルーツにもつ17歳のシンガー。
SNSに投稿した歌唱映像がきっかけとなり、本格的に音楽活動をスタート。
2020年にPanasonicワイヤレスイヤホンのCMに抜擢される。
突き抜けるような伸びやかで力強いボーカルスタイル、Z世代ならではの繊細な心情を綴った歌詞が織りなす楽曲はリアルな"葛藤"と"希望"を発信する。
https://heli-official.com/
楽曲「Paradise」はCarlos K、Tsuyoshi Yamadaとセッション形式で共同制作したもので、Heliさんが幼少期から親しんできたダンス要素を取り入れたサマーチューンとなっています。今回MVを制作した、チーム「かぐや姫追跡部隊」の齊藤開さん、KIM JINHEEさん、野窪玲麻さん、森田みのりさん、HALFYARD SOPHIAさんに詳しくお話を伺いました。
野村誠司教授のアニメーションゼミの課題から始まった本プロジェクト。昨年の5月にお披露目したシンガーソングライターm@eさんのMV制作に携わっていた5名の学生が立候補し、昨年の後期から約半年かけて取り組むことになりました。
(参考)想いが近づくほど切なくなる"恋”を形に。 ― シンガーソングライターm@eの新曲「Blue」トータルプロデュース
https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/832
今回のプロジェクトに参加しようと思った動機を伺うと、「m@eさんのMV制作でエフェクトが得意な先輩の作業を間近で見て、次の機会に挑戦したいと思っていた」、「自分が社会に対して何がしたいか考えたとき、m@eさんのMV制作で掴みかけたけど掴み切れなかったモノを見つめ、深掘りすることが大切だと思った」など、m@eさんのMV制作の経験を踏まえ、あらためて挑戦してみたいと考えた学生がほとんど。他にも「デモ曲を最初にいくつか聴かせてもらって感動した」とHeliさんの歌声に魅せられた学生も。
(参考)シンガーソングライターm@e「Blue」のMV
作業はHeliさんのデモ曲をみんなで聞くところからスタート!Heliさんや楽曲についてのイメージをキーワードにして出し合い、それをもとに各自でイメージボード(アイディアスケッチ)にしました。
第一回目のHeliさんとのオンラインミーティングでは、学生が考えるHeliさんのイメージやキービジュアル、MVの方向性についてプレゼンを行ったところ、Heliさんから「曲に込めた思いやメッセージをビジュアルで表現してくれて、曲のイメージに合っている」と嬉しいコメントをいただきました。
今回のMVの主役となったのは「かぐや姫」。かぐや姫がお邸から飛び出す場面からMVはスタートし、さまざまな世界を旅して、多くの出会いを繰り広げ、自分の「好き」を見つけるストーリーとなっています。ラストシーンでは、囚われていた過去の自分に背中を押され、新しい自分になる様子が描かれています。
「やがて月に帰ってしまうかぐや姫は、抑圧感のあるキャラクターとしても捉えられます。楽曲「Paradise」を聞いたときに、“自分を探す”、“自分の好きを見つける”をテーマにした物語にしたいと考えていたので、モチーフとしてぴったりだと思いました」。
MVをご覧になった方はお気づきかもしれませんが、実は本MVではモンタージュ技法(※)を用いて、パートごとに制作メンバー一人ひとり担当しています。
※複数の映像の断片を組み合わせてひとつの連続したシーンを作る方法。
一番の見どころポイントを伺うと「私たちが決めるよりも、このMVを見てくれたみなさんが決めてほしい」と話します。「このMVには、自分の「好き」を見つけてほしいという思いが込もっています。私たちにもそれぞれ自分が思う「好き」があります。だからこそMVを見てくれたみなさんが、自由に“ここが一番好きだな”と感じてもらうカタチが一番かなと思っています」。
Heliさんへのお披露目はメンバーにとって緊張の瞬間でしたが、Heliさんからは「期待を超えた映像になった」とお褒めの言葉をいただいたとか。後日あらためて発表されたHeliさんからの公式コメントはこちら!
Heliさんからのコメント
この度は「Paradise」のMV制作をして頂き、誠にありがとうございます。
「Paradise」は私だけではなく、様々な人の思いをのせたMVになりました。
この曲の直向きで一途な意志を、多様な角度で感じて、見れば見るほど味わい深く、多くの人の心を揺さぶれるような作品になれば嬉しいです。
京都芸術大学の学生の皆様、素敵なMVを制作して頂きありがとうございました!
MV公開後は周囲からもあたたかい反響がありました。個人のInstagramでMVをシェアしたところ、印象に残ったシーンや好きなキャラクター、色合いや細かなこだわりまで友人から具体的な感想のコメントをもらったメンバーも。「何回かに渡って視聴してくれたことが伺えるコメントや、“少人数でこんな作品を作れるのはすごい”など褒めてくれる友達もいたり、とても嬉しかったです」。
指導教員の野村先生は、とにかく向き合うことに逃げなかったメンバー全員を褒めたいと語ります。「簡単にできちゃうものって、見ても誰も驚きません。“こんな風に画が動くんだ!”、“こんなストーリーなんだ!”など視聴者に対して純粋な驚きを与えられるMVに仕上がっています。それは躓いたとしても、逃げないで最後までこだわり続けたこのメンバーのすごさのおかげだと思っています。自分たちの作品を通して、アニメーションの可能性を確実に広げていってくれていると思います」。
チーム「かぐや姫追跡部隊」のみなさん、素敵なミュージックビデオをありがとうございました!今回のMV制作を通して得た学びが詰まった、みなさんの卒業制作作品を拝見することが楽しみです。
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