想いが近づくほど切なくなる"恋”を形に。 ― シンガーソングライターm@eの新曲「Blue」トータルプロデュース
- 京都芸術大学 広報課
キャラクターデザイン学科の学生たちが、シンガーソングライターm@e(マエ)の新曲「Blue」について、その選曲から、MVやジャケット制作、アーティスト・プロモーションまでをトータルプロデュースしました。2021年4月24日(土)に手描きアニメーションMVが公開されるとともに、ユニバーサル ミュージックよりデジタルシングルも配信されています。
完成したMV(ミュージックビデオ)は、手描きのアニメーション作品。
少女が人外(人ではないけれど人に近いもの)の男の子に恋するストーリーになっており、活発な少女が恋をして大人の女性になる時間の流れや、想いが近づくほど切なくなる二人の距離を鮮やかなアニメーションで表現されています。
シンガーソングライターm@e(マエ)
京都府宇治市出身のシンガーソングライター。10代から地元の京都を中心に活動を重ね、関西最大級の音楽コンテスト<eo Music Try Main Award>など数々の音楽コンテストでグランプリを受賞。2019年秋、デジタルシングル「私こそ、ごめんね」でメジャーデビュー。キュートで特徴的な歌声とPOPなメロディは親しみやすく、時折聴かせるストレートで力強く伸びやかなトーンはリスナーの心に響く。
http://mae-official.com
「アニメーション」「CG」「ゲーム」「キャラクターイラスト」の4つの領域にわけ、専門技術と発信力を身につけ、キャラクターを生み出すスペシャリストを育成しているキャラクターデザイン学科。今回のプロデュースもそのような学科の特徴を活かし、アニメーションゼミ、グラフィックデザインゼミ、音楽プロデュースゼミ、企画プロモーションゼミの学生29名が制作に取り組みました。まさにキャラクターデザイン学科ならではの横断的なプロジェクトです。
今回のように、大学と協同で、その選曲からプロモーションまでをトータルでプロデュースするという取り組みは、ユニバーサル ミュージックとしても初の試みとのこと。特にそのMVについて、ユニバーサル ミュージック合同会社 大阪宣伝グループ谷内環氏は、こう語ります。
「ストーリー性もあって、歌の雰囲気と映像の世界観とが非常にマッチしていて、すごいミュージックビデオになったなと思います。学生の皆さんが、本当に細かいところまで丁寧に作っていることがよくわかりました。ここまで作り上げるのはとても大変だったことは、容易に想像できます。m@eさん共々、この曲を世の中にきっちりと広めることができればと思っています」。
指導教員の野村誠司先生も「学生たちの想いをそのまま形にさせていただくような取り組みは通常は無く、その点がとても新しい」と言います。
「通常のMVだと、この曲に対してこういう世界観のものをこういうふうに作ってくれと具体的な依頼があると思うのですが、今回は、学生たちが曲を聞いて、そこからインスパイアされたものをそのまま自分たちで再解釈した形で作ったわけです。m@eさんの想いで作った楽曲と、学生たちの想いで作ったMVという意味で "アンサー・ムービー” になっています。
そのようにアーティストと制作者側とが応答し合う、そんなやりとりがあることが、今回一番新しいところだと思っています。学生たちならではの解釈で、想いをそのまま形にさせていただいたというのは、本当に感謝ですね」。
プロジェクトが始まったのは、2020年10月のこと。m@eさんから新曲を3曲、提示いただき、どの曲のMVを制作するのか学生たちが検討することから始めたそう。3曲それぞれに込められた想いや世界観を伺い、映像化のしやすさや世界観を表すキーワードをポイントにして決めていったと言います。
「なかでも『Blue』については、エモい雰囲気とか、夜、海などのいくつかのキーワードが出てきて、世界観に共感する部分も多かったですし、表現しやすいかなと感じました。そこで、見ていてキュッと胸が締め付けられるような、そういう感じのものを作りたいなと話したんです。
また、結構その情景が浮かびやすい感じの歌詞だったので、想像もそこから膨らませられるかなと思い、『Blue』を制作させていただくことにしたんです」。
全編「手描き」によるアニメーションという特徴については、
「やっぱり私たちのゼミが手描きにこだわっているということも大きいと思います。アニメーションの表現では、表情はわかるけれど、どういう感情なのかを伝えるのは、なかなか難しくて、すごくわずかしか伝わらないんです。でもやっぱり、人が手で気持ちを込めて描くと、線が気持ち通りに動いてくれるというか、手応えや感触みたいなものが直に伝わってくるんですね。そのあたりの感触を感じながら描けることが、手描きのアニメーションの良さかなと思います」。
MVの公開とデジタル配信に先立ち、学生たちの前で新曲「Blue」とMVのお披露目会が行われました。記者の方々もお呼びしたいところですが、感染症対策を踏まえ、学生たちだけの閉じた環境とし、収録した映像を後日配信する予定だそうです。
会はまず、SNSで募集した恋のエピソードやm@eさんへのメッセージをいくつかご紹介。「m@eさんは恋してますか?」など、なかには直球な質問も。
そして、m@eさんがアコースティックギターを手に2曲を歌唱。美しい歌声に会が盛り上がっていき、いよいよMVのお披露目へと移りました。
MVのお披露目後、アニメーションゼミの学生より、アンサームービーとしての制作意図や秘話などを説明しました。そして「Blue」ジャケット写真並びにタイトルロゴ、MVのリリックの制作をしたグラフィックデザインゼミのメンバーが登壇。最後にPRを担当している企画プロデュースゼミのメンバーによる「Blue制作委員会」から、「ミュージック・トレーディングカード」を贈呈しました。裏面にQRコードが配され、MVが見られる仕様になっています。
最後に「Blue」の歌唱です。キュートで伸びやかな歌声が会場に広がり、学生たちを優しく包み込んでいきました。
無事に会を終え、学生に感想を伺うと「前に出て登壇した時は、すごい泣きそうで必死に我慢をしていたんですけど、m@eちゃんが『Blue』を歌っている時、もう耐えられなくなって、グワーって泣いてしまいました」と感動を隠しきれない様子。
「すごい嬉しかったです。生きていて良かったーって。曲を聞いている間、めちゃくちゃいろんなことを考えて、制作では、いろんな壁にぶち当たって、すごく悩んだこともあったから、ちゃんとその想いがm@eちゃんにも届いたかなと。
アニメゼミだけで完結したことではなくって、やっぱりほかのゼミが関わってくることだったので、本当に連携の取り方とかすごく悩んでやってきて、やっとここまで来たので。振り返ると、苦しくもあり、楽しかった取り組みでした。もう本当に素直に嬉しかったです」。
MVを見たm@eさんは、「ミュージックビデオを拝見させていただき、感動して、思わず涙が溢れてしまいました。素敵な作品にしていただいて本当にありがとうございます」と感想を述べてくださいました。
「私は感受性が豊かな方だと思うんですけど、ストーリーにすごい感動してしまって、学生の皆さんが本当にいろんなことを深く考えて作ってくださったのが伝わってきて、この曲を作ってよかったなって思うことができました。
これからもこの曲をいっぱい歌っていって、私が今日感じたのと同じように、みなさんに感動を与えることができたらいいなと思いました」。
その選曲から、MVやジャケット制作、アーティスト・プロモーションまでをトータルプロデュースする今回のプロジェクト。アニメやCGなどの制作からグラフィックやプロデュースまで、幅広いゼミを有するキャラクターデザイン学科ならではの取り組みです。このような専門性と領域横断性を有する学びを社会とつなげ、実装する力を培う授業を展開することで、学生も社会から評価・批評されますし、実践的に成長することができるでしょう。
今、誰かに恋をしているあなた、これから恋をするあなたへ。
それは楽しくて心が弾けるものかもしれない。それは苦しくて切ないものかもしれない。
しかし、どれも美しくて大切なもの。大切な人へ想いを馳せながらお楽しみください。
< 関連サイト >
m@e Official site:http://mae-official.com
UNIVERSAL MUSUC 公式サイト:https://www.universal-music.co.jp/mae-japan/
Twitter:https://twitter.com/Vo9Mae
Instagram:https://www.instagram.com/ao8vo
TikTok: https://www.tiktok.com/@vo9mae
Blue制作委員会:https://twitter.com/Blueproject0424
*Blue制作委員会では、PR担当の学生たちが楽曲やMVに関する情報、MVの資料公開やメイキング、m@eさんからのメッセージをTwitterで更新しています。是非チェックしてみてください。
京都芸術大学 Newsletter
京都芸術大学の教員が執筆するコラムと、クリエイター・研究者が選ぶ、世界を学ぶ最新トピックスを無料でお届けします。ご希望の方は、メールアドレスをご入力するだけで、来週水曜日より配信を開始します。以下よりお申し込みください。
-
京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts
所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
連絡先: 075-791-9112
E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp