花の蕾もほころぶ季節となりました。2022年3月19日(土)京都・瓜生山キャンパスにて、通学課程および通信教育課程の学位授与式・卒業式が執り行われ、通学課程からは博士5名、修士73名、学士841名が、通信教育課程からは修士102名、学士690名がそれぞれ学位を授与されました。
卒業生・修了生のみなさんは、大学生活の中でさまざまな出来事があったと思います。授業や課題で学んだこと、自主制作や課外活動に励んだこと、友達や先生と語り合ったこと。振り返ると大学で過ごした時間は宝物のように感じられます。かけがえのない大学生活の思い出を胸に、卒業生・修了生はこれから始まる新しい世界への旅に巣立っていきました。
学位授与式・卒業式は対面とオンラインのハイブリッド型で行われ、全国・全世界にいる卒業生やご家族のみなさまに向けてライブ配信されました。
まずは本学の理念「京都文藝復興」を松平定知教授が朗読します。
続いて、学位記の授与に移ります。博士課程からは山澤清一郎さん、修士課程からは都丸雅樹さんが学生代表を務めました。博士課程修了者には、開学30周年を記念して制作された錦織作家・龍村周さんによる一品鳥の柄のストールが贈呈されました。一品鳥とは鶴の異称で、博士課程を修了したみなさんが藝術立国を支える大きな力となり、飛翔する鶴のごとく世界で活躍できるよう願いが込められています。
卒業証書の授与では、今年度初めての卒業生を輩出する情報デザイン学科 クロステックデザインコースの平林竜一さんが学生代表を務めました。
そして吉川左紀子学長からの式辞です。修了生・卒業生やインターネットを通してご覧いただいているご家族の皆さまへのお祝いの言葉から始まりました。卒業式当日に人間館1階に飾られた、教員から卒業生へのメッセージが掲示されているフォトスポットについて触れ、これは在学生による卒業生のための企画であることを紹介しました。この取り組みについて、「コロナが広がる中で卒業するみなさんに、後輩たちがこんなプレゼントをしたいと強く願うようなつながりが生まれていたことに私は本当に驚きましたし、とても嬉しく思いました。この企画を実現した先輩と後輩の心のつながりが卒業してからもみなさんにとっての財産となることを願っています」と話します。
吉川学長が卒業生に贈った言葉は、「強く、やさしく、かっこよく!」というもの。吉川学長は最後の「かっこよく」が一番難しいのではないかと言います。「これはみなさん一人ひとりがもつ美意識だからです。みなさんの将来向かう目標と言ってもいいかもしれません」。
「ある学生さんに“かっこいい芸大生ってどんな人かな?”と尋ねてみると、その人は“頑張り続けることができる人。自分の作風とか貫き通せる人はかっこいいですね。”と返事をくれました。そして、“自分はまだかけ離れているのでいつかはそうなりたいです”と言いました。今日本学を卒業されるみなさんが社会に出て、自分自身の歩みを進め、また母校である本校を尋ねてくれた時に、私はみなさん一人ひとりに“かっこいいね”とエールを贈りたいと思っています」。
卒業・修了生を代表して卒業の辞を読んだのは、環境デザイン学科の八木田直樹さん。1年生の時に初めてデザインした椅子を授業で褒めてもらえたことに触れ、「今でもその椅子は使い続けていますし、その時の喜びの感情が今の自分の活動の根底にある」と話します。そして、大学での学びを振り返ります。「多くの課題に対して真摯に向き合ってきたことで、一つの分野にとらわれない広い視野を持ち、四年間の経験一つ一つを活かしていける力を持つことができたと思います」。
卒業生からの熱い思いを受け取り、徳山豊理事長から歓送の辞が贈られました。お祝いの言葉が贈られるや否や「皆さんと集合写真を撮らせてください」と徳山理事長からのご提案。吉川学長と徳山理事長、そして卒業生・修了生の記念すべき集合写真が撮影されました。
「私たちはみなさんを送り出した後も磨き続けます。そして、みなさんと共に成長し続けます。それは自分たちのためではなく、みんなのため。一人でも多くの人のために役に立つ学校であり続けるためですし、また、今日卒業されるみなさんが社会で戦って戦って、ほっと一息つきたいときに戻ってくる場所として、みなさんが誇りに思える場所であり続けるために成長し続けます」とこれからの学校づくりへの固い誓いと卒業生へのはなむけの言葉で締めくくられました。
そして最後には、学園歌『59段の架け橋』が流れ、歌詞にこれまでの学生生活を重ねながら、静かに聞き入りました。
卒業式閉式後には、各学科で分科会が行われ、卒業生・修了生お一人ずつに証書を授与。そして、先生方から卒業生・修了生に力強いエールがありました。同窓生、そしてお世話になった先生方と大学で過ごす最後の大切な時間。笑顔と涙に溢れた分科会の様子をお届けします。
吉川学長の式辞にてご紹介のあった在学生から卒業生へのサプライズプレゼントはこちら。桜色に演出された全長14mに及ぶ美しいフォトスポットです。パネルの裏側にはピンク色を塗って、空間が薄っすらと桜色になるように華やかな空間を演出しました。近くで見ると、お世話になった先生方からのメッセージが!卒業生に贈る言葉や座右の銘など、その数なんと全579種。先生方の個性光るメッセージはあたたかく、そして力強く、卒業生への想いに溢れています。
また、この全579種の言葉を「愛ことばキーホルダー」にして、卒業生全員に配付。「卒業後もキーホルダーを見て大学生活を思い出したり、元気や勇気が出たりするきっかけになってほしい」という想いを込めて一つひとつ手作りしました。恩師の言葉をいつでも手元に置いておけるお守りのようなキーホルダーです。
新型コロナウイルス感染症防止の観点から卒業生のみの入構となった卒業式。「直接会うことができなくても、お世話になった先輩に今までの感謝の気持ちを伝えたい」そんな気持ちから、学生有志団体「おCHA☆かい」が自発的に卒業生のために企画しました。在学生からの思いもよらないサプライズに感激している卒業生の姿が見受けられました。
卒業生・修了生のみなさん、この度はご卒業誠におめでとうございます。みなさんの学びの旅がこれからも続いていくことを祈りながら…また必ずお会いしましょう!
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