REPORT2022.03.17

デザイン

密を避け、自宅で確定申告を。― 大阪国税局主催、電子申告PRポスターコンペで各賞を受賞。

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  • 京都芸術大学 広報課

2021年12月13日(月)、大阪国税局がデザインを募集した、申告会場に行かずに確定申告ができる電子申告システム(e-Tax)の利用を呼びかけるポスターコンペの授賞式が行われ、41作品の中から本学の3名が受賞しました。最優秀賞にプロダクトデザイン学科の圓山結華さん、優秀賞にキャラクターデザイン学科の砂田亜由理さんと情報デザイン学科の内畠菜穂さんが選ばれています。

 

このコンペは、2月16日から始まる確定申告に向けて、新型コロナウイルス感染症対策の一環で申告会場の密を防ぐため、自宅からパソコンやスマートフォンなどでも申告できる電子申告システム(e-Tax)の利用を推進することを目的としたPRの一環。大阪国税局としては初めての取り組みとなるのだそう。

結果、41作品の応募が集まり、税務職員の皆さんによる投票で最優秀賞が2人、優秀賞が4人、特別賞が1人に送られました。受賞したポスターは約3,000枚ほど印刷され、税務署内やさまざまな駅構内などに掲示されています。

叡山電鉄車内にも掲出されたポスター。

 

今回のコンペ参加のきっかけは、芸術教養センターで開講している「日本国憲法」や「法学」といった社会科学系の授業。5年以上前から左京税務署や京都財務事務所などと連携し「税の教室」を開講しており、京都財務事務所からは国のお金に関する事柄を、左京税務署からは確定申告をはじめとする身近な税に関する事柄をレクチャーいただいています。それがご縁で、「確定申告ポスターデザイン」に取り組むことになりました。

授業を担当する岡村暢一郎先生によると「源泉徴収や確定申告をはじめとする現在の税制の仕組みや、それが私たちの暮らしや社会のカタチとどのように関わっているのかを学んでもらう絶好の機会になると考え、取り組みをスタートさせました」と言います。

「いざポスターを作るとなると、授業で習った程度の知識では、法律上の制度の本質的な理解には追いつきません。情報を調べ、理解し、それを伝えていくためのデザインとして落とし込んでいかなければなりません。何よりも、芸大生だけでなく一般の人にも馴染みのない確定申告電子申告システム(e-Tax)という制度を伝えなければいけない。非常に短い期間での制作となりましたが、クオリティの高いデザインが集まり、学生のみなさんの底力と制作への熱意を強く感じました」。

それでは、最優秀賞に選ばれた圓山結華さん、優秀賞の砂田亜由理さんと内畠菜穂さんのデザインや受賞の声をご紹介いたします。

 

最優秀賞:圓山結華さん(プロダクトデザイン学科)


デザインのポイント
自宅で申請するのと実際に行って申請するのとではどう違うのか、誰がみてもわかりやすくなるように気をつけてデザインしています。
配色やフォントは、なるべく簡単にわかるよう配置することを心がけました。

授賞式を終えて
正直ここまでの大きな授賞式をしていただけると思っていなかったので、とてもありがたい経験をさせてもらったと感じております。
実際に自身のデザインしたものがポスターとして多くの人の目に触れるような形で出るのは初めてのことでしたし、コロナ禍で大変な中、少しでも自分の力で貢献できたことをとても嬉しく感じてます。

 

 

優秀賞:砂田亜由理さん(キャラクターデザイン学科)


デザインのポイント
今回のポスターでは、「確定申告」ではなく「e-Tax」に焦点を置いて制作しました。確定申告と聞くと先に堅苦しい印象を抱いてしまいますが、e-Taxを前面に出すことによって今までとは違った新しい取り組みが行われているのが一目で分かるのではないかと思います。また、「確定申告ならe-Tax」というキャッチフレーズを大きく出すことで、多くの人の印象に残って欲しいと思いました。
芸術大学ならではのデザイン性を活かそうと、文字のデザインで魅せるというよりはイラストがメインのポスターにしました。また、イラストが派手すぎると確定申告の印象と大きくかけ離れてしまいますし、文字が目立たないなと考え、青とオレンジと緑をベースに少ない色相で表現し、柔らかい印象に仕上げました。

授賞式を終えて
この度は、優秀賞という素敵な賞を頂戴し、とても光栄に思います。授賞式を終えて、何事も挑戦してみることが大事だと実感しました。今回は「法学・日本国憲法」の授業の一環ということもあり、先生方のサポートの元で大きな一歩を踏み出しチャンスを掴むことができましたが、これからは自分から積極的に作品を応募するなどしてチャンスを掴んでいきたいと思いました。今回、優秀賞を頂けたことが自分の自信に繋がったので、恐れず突き進んでいきたいです。

 

 

優秀賞:内畠菜穂さん(情報デザイン学科)


デザインのポイント
自宅で自分の予定に合わせて確定申告ができるという点を伝えるために、ラフで温かみのあるイラストと安心感を与える緑を使いデザインしました。いろんな年代の人が見るため、フォントの大きさや空間を整えて、文字の読みやすさを意識しています。

授賞式を終えて
このように授賞式を開いていただいたのは初めてでしたので、とても良い機会を作っていただきとても感謝しています。一回生のうちにこのように表彰していただけたのはとても貴重で、これからの制作のモチベーションにも活かしていきたいと思います。

 

授賞式当日は、大阪国税局として初めての取り組みだったこともあり、多くの報道陣が取材に詰めかけ、学生の皆さんは緊張の面持ちでした。制作期間が短く大変だったとは思いますが、このような盛大な授賞式を開いていただき、自信につながったようです。今後の活躍が期待されます。

 

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