京都・瓜生山キャンパス 望天館1Fで開催されている作品展示「Point」。衣服やジュエリー、インテリア装飾までさまざまなアイテムがずらっと並び、まるでショッピングをしている感覚で思わず目移りしてしまいます。
本展示は、空間演出デザイン学科ファッションデザインコース3年生の授業「ブランド制作」の成果発表です。
Point
私たちは 今 小さな点。
まだまだ大きくなれるし、どんな形にだってなれる。
そんな小さな私たちが、社会の問題に目を向けて、新しい可能性を見つけ出した。
環境、文化、地域、そしてファッションのこと。
さまざまな問題について、たくさん考え、たくさん悩み、多くの時間向き合ってきた。
真剣に向き合ってきた私たちだからこそ、伝えたいことがある。
他人事から自分ごとにするために。
見えない点に気づくために。
点と点がつながった時、私たちと社会がつながった時、
今よりもほんの少し、この先の自分たちにやさしくなれるんじゃないかと思う。
Point は、そんなきっかけになってほしい。
この授業では、それぞれが考えたコンセプトをもとにブランドを立ち上げます。と言っても、ただ自分の作りたいもの、好きなものを作るのではありません。サスティナブル(持続可能)な商品企画を行い、独自の作品として社会に向けて提案することが求められます。
毎回の授業では先生とディスカッションを重ね、さまざまな意見やアドバイスを取り入れながらデザインに落とし込んでいきました。
また、今回の授業は単にファッションアイテムを制作するのではなく、ブランドを立ち上げることが課題。ブランドがどのように社会に認識されたいのか、いわゆるブランディングを念頭に構成を考える必要があります。
空間演出やビジュアル、キャプション、映像演出、SNS運用など、ブランドをイメージ付ける要素は多岐にわたります。
商品を“誰かに届ける”ということを考えるまでがこの授業。学生たちは頭を悩ませながらも、グループ制作含め計19ブランドが誕生しました!
例年は自分が立ち上げたブランド作品をファッションショー形式で発表していますが、新型コロナウイルス感染状況を鑑みて、今年度はすべてのブランドを展示会場に集約した、セレクトショップ形式の展示を行うことになりました。また、展示会場では販売も実施。実際に商品を購入することができます。
では、展示風景といくつかのブランドをご紹介します。3年生の成果をぜひご覧ください。
もんてあみ
もんてあみは「役目を終えた漁網にもんてくる(戻ってくる)場所を」というのをコンセプトに、沖島(滋賀県)の漁師さんから使わなくなった漁網やロープを頂いてバッグを制作しています。役目を終えた漁網がバッグへとかたちを変え、再び漁師さんや沖島の人々の手元にもんてきてほしい、というのがこのブランドのおもいであり、意義でもあります。
SUSO
裾直しで捨てられる裾布を再利用したパンツのブランド。裾直しの際に裁断された裾布の多くは廃棄される。裾一枚はとても小さなもの。しかし、それが積み重なれば衣類の大量消費問題にも繋がる。 自分の体に合わないからと価値がないとされていたものを価値のあるものへと変える。裾が一つ一つ繋がってパンツとして再構築される「服にいらない布はない」ということを象徴した作品。
作品展示「Point」
空間演出デザイン学科 ファッションデザインコース 3年生
期間 | 2022年1月11日(火)~1月22日(木) |
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場所 | 望天館 吹き抜け |
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般の方は瓜生山キャンパスに入構いただくことができません。何卒ご了承ください。
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