REPORT2021.12.20

舞台

色とりどりの芽が吹く、学生たちの芸能舞台。― 第7回 瓜生山芸能祭

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  • 京都芸術大学 広報課

在学生や卒業生によるさまざまな芸能を披露する「瓜生山芸能祭」が、2021年12月5日(日)京都芸術劇場 春秋座にて開催されました。新型コロナウイルス感染症のため残念ながら一昨年、昨年と中止になり、2年ぶりの開催です。本来であれば春秋座を埋め尽くすほど多くの方々にご覧いただきたいところですが、感染症対策の観点から、出演する方々の関係者に限定したうえでの開催となりました。

デザイン:佐藤亮雅(情報デザイン学科)


第7回となる今回は、全10組が出演。“瓜生山”芸能祭という名にふさわしく、京都芸術大学の通学課程のみならず、通信教育課程などからも幅広く参加。さらに司会という重責を担ったのは京都芸術大学附属高等学校の生徒で、なんと自ら立候補をしたのだと言います。とても鮮やかな進行ぶりで、かつ、台本を読むというよりもご自身の言葉で語るその瑞々しい等身大の姿が印象的でした。また、チラシ作成や写真撮影、ビデオ撮影なども瓜生山学園に所属する学生や卒業生が担当するなど、瓜生山学園が一丸となって芸能祭を支えています。

本学の芸能の顔ともいうべき和太鼓のほか、日本舞踊や狂言、ジャグリング、パーカッション、演劇など、豊富なバリエーションでの公演となった今年度。全10組の様子をご紹介いたします。

多くの学生が芸能に関する活動を行っておりますが、一同に発表する場、広める場がないことから、この芸能祭を企画いたしました。
日々の努力が単に自己満足に終わるのではなく、多くの方々に観てもらう場を持つことによって、自己表現力、コミュニケーション能力の向上、また自己主張だけに留まらない協調性の習得など、現代の若者にあともう一歩自己への挑戦に踏み出す勇気や熱意を感じてもらえる場となることを願っています。瓜生山学園に所属する学生や卒業生等を中心とし、日本伝統芸能・ダンス・音楽など、国・ジャンルを問わず、多種多様な芸能・文化に触れることができる機会でありたいと願うと共に、彼らの熱意に期待しています。


京都芸術大学 教授、和太鼓教育センター 所長 髙木克美

 

 

船本和花子:日本舞踊


最初の出演は、こども芸術学科1年生の船本和花子さんによる日本舞踊「藤娘」。大津絵という、大津の宿場で売られていた今で言う絵はがきのようなお土産の一つで、藤の枝を肩に担いだ女性を舞踊化したものです。

凛とした美しい所作。指先まで隙がない優美な表現で、素晴らしい舞踊でした。

 

 

ジャグリングサークルRelish:ジャグリング


結成4年目のジャグリングサークル Relish は、Mrs. GREEN APPLE や YOASOBI の楽曲に乗せてリズミカルな演目を披露。仲間同士で心から楽しんでいる様子がグイグイ伝わってくるパフォーマンスで、会場も大盛りあがり。見ている側も元気をもらえて幸せな気分になりました。
サークル活動では、パフォーマンスを通じて舞踊表現方法を身につけるとともに「地域社会との関わり」を学んでいると言います。いつも夜遅くまで望天館の屋上で練習している姿をよく見かけます。比較的新しいサークルですが、今後も幅広い活躍が期待されます。
https://twitter.com/Relish_juggling

 

 

KING-BATIHOLI:和太鼓


「和太鼓で世界の人を笑顔に」という夢を持ち、日本全国で活動する「KING-BATIHOLI」は2019年に結成されたチーム。きらびやかな衣装を身にまとい、力強く躍動感あふれる演奏を披露しました。京都芸術大学附属高等学校の学生NAOHIDEと小学6年生のYUKIによる和太鼓デュオだそう。

 

 

京都学生狂言研究会:狂言


京都学生狂言研究会による「土筆(つくづくし)」。環境デザイン学科3年生の宮村尚道さんと同志社大学の学生2名が出演しました。堅い印象を持ちがちな狂言を「溌剌として誠に愉快なモノ」だと知ってもらいたいと言います。

 

 

こここがく:演劇


こども芸術学科1年生の有志グループ「こここがく」は、12月の公演ということで「森もクリスマス」を。
オリジナルで台本を書き下ろした心暖まる物語。はじめての演劇だったそうですが、豊かな表現で皆さんの息もあっていて、バッチリでした。
https://www.instagram.com/15_kokokogaku/

 

 

大久保綜太郎:パーカッション


歴史遺産学科3年生の大久保綜太郎さんによる「パーカッション」は、スティックや指などを用いたドラマチックな演奏。
演目「Asventuras」は、作者がスネアドラムを使って音の実験を重ね「冒険」に満ちていたことに由来するそう。大久保さんもまさに「冒険」しているような演奏でした。

 

 

ペルシャンダンス:ペルシャンクラシカルダンス、ペルシャンコンテンポラリーダンス


日本画コースの卒業生 Ayako Date さんと社会人の Mehoush Salehi さんによる「ペルシャンダンス(現在のイランの踊り)」。表情がとても豊かで指先まで優雅なダンス。エキゾチックな世界に一気に引き込まれました。

 

 

尺八学習会:尺八


通学部の環境デザイン学科3年生の柏木真琴さんと通信教育部の元学生の皆さんによる「尺八」。本学ならではのメンバー構成ですね。「合竹の賦」「涙そうそう・ふうるさと」を演奏いただきました。「涙そうそう・ふるさと」はご存知の方も多い曲ですが、「合竹の賦」は1969年に作曲された比較的新しい曲で、演奏しやすく、楽器に馴染みのない方でもハーモニーを楽しんでいただける曲だそう。
現在は他大学の方や社会人の方を含め8名ほどで活動しており、初心者大歓迎とのことです。

 

 

SuperD:ダンス


舞台芸術学科の卒業生デツ禎稀さんによるダンスプロジェクト「SuperD」。今回は初めて出演者募集をし、キャラクターデザイン学科や空間演出デザイン学科の学生、同志社大学の学生なども参加し、新作を上演。荘厳で独特な世界観に圧倒されました。今回は10分間でしたが、年明けにはフルバージョンの公演もあるそうです。
https://twitter.com/superdfantastic

 

 

和太鼓 悳:和太鼓


トリを飾った「和太鼓 悳」。いつも感じるのは、学生たちが演奏する喜びに満ち溢れていること。互いに目配せをしながら呼吸を合わせ、心を通わせながら演奏している姿に心を打たれます。まさに「心・技・体」。
https://twitter.com/wadaiko_shin26

 

10組の出演者はもちろん、司会を務めた京都芸術大学附属高等学校3年生の西田智恵さんも大変素晴らしい進行でした。台本通りに淡々とセリフを読むように進行するのではなく、自身が感じたことを素直に表現し、出演者を紹介してくださっていて、そのおかげでより演目を楽しむことができました。実は独自に各出演者をきっちりと取材し、情報を整理した上で本番に臨んだそうです。

司会を務めた京都芸術大学附属高等学校3年生の西田智恵さん

 

2年ぶりの開催となった瓜生山芸能祭。大学の通学課程や通信教育課程、附属高等学校などから学生や卒業生が集い、伝統的なものから現代劇までバリエーション豊富な芸能の数々を披露いただきました。芸能の幅の広さと深さを改めて感じる場となったとともに、学生たちの交流や研鑽につながる機会になったはずです。

第7回 瓜生山芸能祭

日時 2021年12月5日(日)15時開演
場所 京都芸術劇場 春秋座
主催 京都芸術大学 和太鼓教育センター

 

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    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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