REPORT2021.05.25

デザイン

デジタルネイティブな私たちの考えをここに印す。― 情報デザイン学科「印」展

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  • 京都芸術大学 広報課

瓜生山キャンパス智勇館1Fにて、情報デザイン学科3年生による授業課題「 “印” デジタルネイティブな私たちの考えをここに印す。」が展示されています。

昨年もこちらで展示をしていましたが、道路に面した教室をまるでショウウィンドウのように活用。道行く人の目に留まるようディスプレイの工夫がなされ、特に夜に浮かび上がる様子がとても美しい展示となっています。

印刷の可能性

印刷とは文字、図、絵、写真などの原稿をもとに印刷版をつくり、
印刷インキなどを塗布して紙などの被印刷物に押し付け、機械的に複製すること。

電子メール、オンライン授業、デジタル教科書。
急速にデジタル化が進む現代、コロナ禍で改めてインターネットの利便性を感じた人は多いだろう。

コミュニケーションが容易くオンライン上で行われる今、アナログな存在である印刷物は世の中にとって必要なのかを問われ始めた。
こんな時代だからこそ、Z世代と称されるデジタルネイティブな私たちが揺るがない未来をここに印す。


これらは、情報デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース「C領域※」の授業課題。自分の身近にあるモノとはどのように生まれ、どのような過程を経て存在するのか、その存在理由を探り、学内外での展示・発信まで行います。

※情報デザイン学科のビジュアルコミュニケーションデザインコースでは、応用・展開的なデザインスタディのフェーズとして、A領域「グラフィックス」、B領域「エンターテイン」、C領域「リアライズ」というテーマを軸に情報デザインを探究・実践する、3つの領域に分かれて学修します。


前期前半の課題は「印刷」。インターネットやパソコン、スマートフォンが普及している生活環境の中で育ってきた、所謂デジタルネイティブな学生たちが「印刷の可能性」をリサーチし、その成果を展示するというもの。

デジタル化が進む現代。特にコロナ禍でそれは急速に加速しています。そんな状況の中、アナログな技術である「印刷に可能性はあるのか」という問いに学生たちがどのような答えを出すのか。本課題は、デジタルネイティブで育った学生が思う、「印刷」についての考察とその発信です。

 

学生たちが6組に分かれて展示をしています。刷ることで「時間を定着」することに印刷の意味を見出したチームや、デジタルとは異なり、物理的な存在だからこそ「視覚、聴覚、触覚、嗅覚」という感覚の魅力があるとするチーム。印刷物は「視覚なしでも成立し得るのでは」とするチームもあり、多種多様です。デジタルネイティブならではの印刷物に対しての先入観を排した展示になっています。

 

 

行為による責任の重さが
印刷においての信頼になる

 

 

初版第1版にしかない価値


デジタルは毎日更新され時間を自由に行き来できるため、時間という概念がない。
その中でも初版第1版は、その定着された時間に価値を与える存在なのだ。
しかし、印刷は発行日を記載し、時間を定着をすることができる。
その価値に気づくことが、今の私たちに求められている。

 

 

感覚という印刷の
魅力を可視化する


私たちが考える印刷の可能性のひとつは「感覚への訴求力の高さ」だ。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚。この四つの見えない魅力を視せる。

 

 

印刷物を手にした時から
その人自身の印刷が始まる

 

 

存在するものは体験を生み
体験は記憶を引き出す

 

 

記憶することは
印刷することである


今この展示を見てなにか思い出したなら、それはあなたが過去に「印刷」したものを複製したことになる。
嗅覚、触覚、聴覚で記憶(印刷)することができると立証した今、印刷物は視覚なしでも成立し得るのではないだろうか。

 

“印” デジタルネイティブな私たちの考えをここに印す。

情報デザイン学科 3年生 C領域

期間 2021年5月19日(水)~6月2日(水)
場所 智勇館1階 BR14教室 ※ガラス面

 

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    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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