京都芸術大学 瓜生山キャンパス内のギャルリ・オーブにて、美術工芸学科 写真・映像コース主催の展覧会「写真は変成する MUTANT(S) on POST/PHOTOGRAPHY」が、2021年3月19日(金)より開催されています。
本展は、今年度より始まった後藤繁雄先生と多和田有希先生が主宰する、写真・映像コースに所属する学生を中心とした特別講義のゼミから、17名のアーティストを選抜したグループ展。コンテンポラリー・アートの一領域である「現代写真」にフォーカスしたものです。
「写真は変成する」
密室の中で、変成体が生み出される。単体ではなく複数で。モダンもポストモダンも、「今ここ」で、全てが失効し停止してしまった時に、しかし我々は、自らがミューテーションをせまられる事故的状況を得たのであった。
それは、メルトダウンをともなうカタストロフから10年。異常気象が常態化した「今ここ」で、さらにcovid19による事態が待ち構えていようとは誰も予想だにしなかった。
コンテンポラリーという名のカオスの中で、我々は率先して「分裂」と「融合」の実験のなかに身をおかなければならないだろう。ノーマンズランドこそが我らが生の揺籠なのである。
都合の良いことに、我らには変成体としての「写真の拡張」がある。リアルも虚構も仮想もマテリアルも、前例のない「分裂」と「融合」による攪拌作業にとりかかることが出来るから、そこから個別のメソッドを捏造すればよいのである。
このMUTANT(S)on POST/PHOTOGRAPHYは、そのメソドロジーのショーケースだ。17個の変成体、ヴァリアントの集合である。
生存するもの、停止するもの、死滅するものが出るだろう。しかし、我らが「来るべき写真 POST/PHOTOGRAPHY」は、ミューテーションの果てに生き残る可能性をもつことになるのである。
キュレーターの一人である後藤繁雄先生によるステートメントにあるとおり、会場には平面プリント作品のほか、プリントした写真にペインティングを施したもの、立体状にしたもの、コンクリートで覆い、部分的に砕いて表面をむき出しにしたもの、そしてインスタレーションやトーマス・ヒルシュホーン論などバリエーション豊富な、まさに「POST/PHOTOGRAPHY(ポスト・フォトグラフィ)」への挑戦の数々が出展されています。
写真は変成する MUTANT(S) on POST/PHOTOGRAPHY
会期 | 2021年3月19日(金)〜29日(月) ※会期中無休 |
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時間 | 10:00〜19:00(最終日のみ16:00まで) |
会場 | 京都芸術大学 ギャルリ・オーブ |
キュレーション | 多和田有希、後藤繁雄 |
出展者 | 伊藤雅浩、追立大地、沖野颯冴、大澤一太、神谷拓範、北桂樹、柴田眞緒、新開日向子、高橋順平、多和田有希、R E M A、平等菜々理、藤本流位、山神美琴、吉田コム、渡辺晃介、向珮瑜 |
オンライントークイベント
写真家の川島崇志氏をお招きした講評会の様子を会場からライブ配信します。配信URLなどの詳細は、webサイトをご覧ください。
日時:2021年3月20日(土)13:00〜16:00
ゲスト:川島崇志(写真家/東京工芸大学准教授)
https://postphotography.wixsite.com/2021
(撮影:神谷拓範)
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京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts
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