記憶や忘却をテーマに、アナログアニメーションを制作する映像作家、ジダーノワ アリーナさん。2015年に京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)情報デザイン学科を卒業後、映像作家・グラフィックデザイナーとして独立し、2019年からは京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程に所属し、研究制作に取り組んでいます。2021年には「Kyoto Art for Tomorrow 2021 -京都府新鋭選抜展-」で最優秀賞に輝くなど、気鋭の作家として注目を集める彼女に、在学中のエピソードや、映像作家として作品にかける想いをインタビューしました。
モスクワ(ロシア)生まれ、札幌(北海道)育ち。映像作家、グラフィックデザイナー。2015年 京都造形芸術大学 情報デザイン学科卒業。記憶や忘却をテーマに研究し、作品制作を行う。2019年より京都市立芸術大学大学院美術研究科 博士課程所属。
主な展覧会・上映会に、個展「忘れた点と記憶の線」(2019年、Kyoto Art hostel kumagusuku)、「セレブレーション-日本ポーランド現代美術展-」関連企画:日本・ポーランド短編アニメーション上映会(2019年、京都芸術センター/京都、ポーランド)、「CAF賞選抜展」(2016〜2017年、Gallery 9.5/京都)、「ULTRA×ANTEROOM Exhibition」(2016年、Gallery 9.5/京都)、「広島国際アニメーションフェスティバル」(2016年、JMSアステールプラザ/広島)など。
主な受賞に、「Kyoto Art for Tomorrow 2021 -京都府新鋭選抜展-」最優秀賞、および、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川国際交流賞 *ダブル受賞(2021年、京都府、京都文化博物館)、「第2回CAF賞」最優秀賞(2015年、公益財団法人現代芸術振興財団)、「ULTRA AWARD 2015」入選(2015年、ULTRA FACTORY)など。
https://www.zhdalina.com/
ロシアに住んでいたおばあちゃんの、かすかな”記憶”を作品に
2021年1月23日から2月7日まで開催された「Kyoto Art for Tomorrow 2021 ―京都府新鋭選抜展―」。京都を中心に活動する新進の若手作家を紹介し、次世代を担う作家として京都から世界へ発信していくことを目的として開催されたこの展覧会で、今回、最優秀賞を受賞したのは、映像作家のジダーノワ アリーナさんでした。
受賞作品は、ジダーノワさんが2021年に手がけた新作『バーブシュカ』。自身の個人的な記憶をテーマとした手描きのアニメーションに、ロシア語のナレーションとロシア民謡が重なり、不思議な心地良さを生み出しています。
ジダーノワさんに受賞作品について伺うと、
「タイトルの『バーブシュカ』は、ロシア語で“おばあちゃん”という意味です。私はロシアのモスクワ生まれで、祖母は2人ともロシア人。私が生まれてすぐ、私たち家族は父の仕事のため北海道に移住し、それから大学に進学するまで札幌で育ちましたが、祖母たちはロシアで暮らしていました。この作品で取り組んだのは、“忘れてしまった存在”をイメージに変換すること。自分にとって、祖母たちとの記憶は自分が小さい頃のものばかりで、すでにほとんどを忘れてしまっています。そこで、覚えている範囲で祖母たちのイメージを積み重ねることで、記憶を形にしていこうとしました。
おもしろかったのは、そのイメージを積み重ねていくと、実際の祖母とは違う人になってしまうことで、さらに、できあがったイメージは自分の母親にも似ていたんですよね。また、作品ではロシア語のナレーションと民謡をアニメーションに合わせて入れたのですが、取り上げたロシアの民謡の雰囲気が、子どもの私から見た母のイメージそのものなんです。
母の存在は自分にとって大きいものだから、祖母のことを思い出しながらも、どこかで理想に置き換えていたり、理想に近づけていたりするのかもしれません。そのような“忘却の変化”など、記憶と忘却を研究テーマにして、近年は制作を行っています」。
「Kyoto Art for Tomorrow 2021 ―京都府新鋭選抜展―」では、ジダーノワさんの『バーブシュカ』は最優秀賞と、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川国際交流賞のダブル受賞となりました。この作品が評価された点について、ジダーノワさんは、
「暗いニュースが続く中で、この作品を見て“ホッとした”、という声をいただきました。国や文化を超えた共感性を作り出すことができたのかな、と思います」と語りました。
大学選びは、第一印象で一目惚れ!
北海道の札幌で、日本人と同じように育ってきたジダーノワさん。
「私はロシア生まれですが、生まれてすぐ日本に移住したので、実は、ロシア語はほとんど喋れなかったんです(笑)。友達とは日本語でやりとりするし、英語は少しだけ。ロシア語は後々、語学留学して話せるようになりましたが、大学進学前は、普通科の高校に通う、ごく普通の高校生でした。
美術系の大学を目指すようになったのは、高校の美術部に入ってから。勉強が好きで、理系にも興味があり、ナノテクノロジーの世界もおもしろいなと感じていました。ただ、それまで得意だった数学で、数学IIIになった途端にテストで40点台を取ってしまって…、それで理系はあきらめました(笑)。
ただ、美術も数学も、共通するところがあるんじゃないかと思います。どちらの分野も突き詰めると、“見えない世界を知りたい”という動機があるんじゃないでしょうか」。
なぜ、北海道から京都へ?と伺うと、「一目惚れだったんです」と語るジダーノワさん。
「日本国内の芸術系大学リストを見たときに、校名の漢字の並びがキレイで良いなぁ、と感じました。それが第一印象で、それから大学のホームページを見てみたら、トップページのイメージやアニメーションが奇抜で、おもしろすぎて(笑)。当時、京都には一度も行ったことがなかったのに、 “ここしかない、ここに行きたい”って、一発で決めました。私は4人姉妹の末っ子なんですが、姉は全員、北海道から出て、別の場所で暮らしていました。そういう姉たちの姿を見て、私もいずれは北海道を出るんだろうなと感じていたので、北海道から離れた場所へ行くことに不安はありませんでした」。
映像表現を学ぶ学科を選んだきっかけは、「高校時代に自宅でよく見ていた映画チャンネルに大きく影響を受けました」と振り返ります。
「当時、自宅のテレビでCS放送を見ることができて、その映画チャンネルではショートフィルムコンテストに入賞した作品や実験的な映像作品をたくさん放映していました。そういう自由な作品たちをひたすら漁るように見て、映像っておもしろいな、と漠然と思っていた高校生でした。
ただ、進学する学科をどうする?となったとき、映画学科も考えたのですが、情報デザイン学科を選びました。当時の私は、雑誌でコラージュを作ったりもしていて、デザイン的な視点を学びたいと思っていたし、CMやミュージックビデオ、ショートフィルムに興味がありました。その頃、ショートフィルムの世界以外に好きだったのは、森山大道さんのブレた写真や、横尾忠則さんの作品。小説だと芥川龍之介にハマったりしていました。
そして、決め手だったのは、ヤノベケンジ先生が情報デザイン学科の先生だったことです。ヤノベ先生に憧れていたので、情報デザイン学科に進みたいと思いました」。
すべてが新しい体験の「発電所プロジェクト」
2010年に情報デザイン学科へ進学したジダーノワさんは、ヤノベケンジさんのULTRA PROJECTに参加しました。プロジェクトでの半年間の活動は、「私にとって、大学生活の基盤すべてを形づくってくれたもの。とにかく濃密な、すごく良い時間だったんです」と懐かしそうに語ります。
「私が関わったのは、富山県の発電所美術館で公開されるインスタレーション作品をつくる『発電所プロジェクト』でした。9mの高さから5tもの水が一気に吐き出されて地上に砕け落ちる、という大洪水のようなインスタレーションで、巨大な水がめを作るプロセスを設計図から、鉄板を切断して溶接し、現場でインストールするところまでトータルで経験させていただきました」。
「プロジェクトは、いままで体験したことのない“新しさ”にあふれていて、とにかく濃厚な時間をすごすことができました。そのときの1年生メンバーは6名で、全員が女の子。情報デザイン学科が私含めて5名と、空間演出デザイン学科が1名で、専攻は全員バラバラでした。だけど、みんなで毎日一緒にいて、制作中に「がんばっていこっ!」と明るく声をかけあう様子は、まるで体育会系の部活みたい(笑)。私自身は体育会系のムードは苦手なんですが、このヤノベケンジ先生のプロジェクトは別ですね。楽しんで半年間参加して、経験値がものすごく上がりましたし、仲間との思い出もたくさんできました。自分の専攻のクラスメイト以上の仲間に出会うことができたと感じましたね」。
転機となったのは、2011年。ジダーノワさんの父がロシアで一年間、仕事の都合で単身赴任することになり、「父と一緒にロシアへ行って、自分のアイデンティティを見つめ直してみたい」と一旦、大学を退学することに。
「それまで日本語でのコミュニケーションがメインの暮らしをしていましたが、どれだけ日本語を普通に話せるとしても、やっぱり私は“ロシア人”。それなら、自分のことをよく考えて、苦手なロシア語もきちんとやってみたいと考えました。
ロシア留学中は、現地の大学内にある語学学校に通いました。京都にいたときプロジェクトで忙しかった頃と比べると、制作のための時間もできました。1年生で履修した情報デザイン学科の授業で映像制作の技術を一通り、学ぶことができていたので、ロシア滞在中は作品を作ったりもしていました。そのときにできた作品は、世に出してないものがほとんどですが、いろいろな表現に挑戦しましたね」。
ロシアから再び京都へ ―― 学びへの貪欲さ
1年間、芸術大学から離れてロシアで学ぶうち、ジダーノワさんには、ある“想い”が生まれてきました。それは、「日本でやりたいことは、まだまだできていない」という気持ちだったそうです。
「そのままロシアに残って勉強を続けることもできましたが、やっぱり、一度始めたことは、ちゃんと終わらせたいと感じていました。それがモチベーションにつながって、京都に戻って大学に復学することにしました。
復学後は、“授業のありがたみ”をいままで以上に感じるようになり、もっともっと吸収するぞ!と、学ぶことに貪欲になりました。特におもしろかったのは座学です。実習は、大学以外でもできるといえばできますが、座学はそうはいかない。大学でしか受けられないものだと思います。
しかも大学には美術に限らず、哲学から何から、ジャンルを問わずさまざまなことを学べる総合的な授業がたくさんありました。深く印象に残っているのは、ジャーナリストであり宇宙飛行士の秋山豊寛先生の授業です。農業や国際情勢論、メディア論に関する内容でしたが、私自身は、秋山先生のお話からアートやデザインに対する姿勢を教わりました。そして授業を通して、ものごとを見たときに“なぜ、これが、こうであるのか”を考える癖がつきました。芸術大学への進学が決まったときから自分なりに考えて、何を見たか?そして、それはどういうものだったか?ということを、きちんと内容を覚えておくようにしてきましたが、この授業を通して、自分の思考方法もアップデートできたと思います。そのほかにも浅田彰先生の授業も印象深いですね。毎回、情報過多で追いつくのが大変という、ものすごい授業でした(笑)」。
卒業制作で取り組んだのは、アナログアニメーションで作り上げた映像作品『Фаворитка(Favoritka)』。この作品について、ジダーノワさんは
「Favoritka(ファバリティカ)とはロシア語で、お気に入りの女の子や、寵妾を意味する言葉です。自分が考えてきたことを、この言葉に込めて、5分35秒のアニメーションを制作しました。
実は、卒業後はすぐに開業してフリーランスのデザイナーとしてやっていくと決めていたので、この卒業制作はもしかしたら自分が作る最後のアート作品になるかも、と考えていました。だから、魂を削り出すように作品に向き合いましたし、作品が完成したときは、良い作品ができた!と感じることができました。
この作品は卒業制作展の後、さまざまなコンペにエントリーして、第2回CAF賞では最優秀賞を受賞しました。さらに、「広島国際アニメーションフェスティバル」などさまざま場所で上映する機会もいただきました。大学以外の場所で評価されると、“自分のやり方は、これで良いんだ”と肯定されたようで、素直にうれしかったです。自分の魂を切り離したようなこの作品を外へ出したことがきっかけで、それまで考えていたのとは違う道が見えて、作家活動を続けていくことができるかもと思えましたね」。
転機となった2015年のCAF賞は、審査員の一人に名和晃平先生がおられたそうで、ジダーノワさんが名和先生にまつわるエピソードを話してくれました。
「1年生の時、ヤノベ先生のプロジェクトの次に、名和先生のSANDWICHプロジェクトに参加して、記録映像や写真をアーカイブのために撮り始めるお手伝いをしていました。そのプロジェクトは、残念ながら途中で抜けることになりましたが、それ以降も名和先生とのつながりは残っていて、制作の相談に乗っていただいたり、ULTRA FACTORYを卒業後にときどき訪ねたりと、ずっとお世話になっています。CAF賞で最優秀賞を受賞した後は、名和先生に自分の作品を “作品”としてちゃんと見てもらえるようになったと感じましたね」。
制作のモチベーションを持ち続けるために
卒業後は独立し、デザイナーとして順調に仕事をしていたジダーノワさんですが、2019年、京都市立芸術大学大学院美術研究科の博士課程へ社会人入学することとなります。その理由を伺うと、
「仕事しながら、自分の作品を作り続けるモチベーションを維持できなかったのが大きいですね。自分が何を作りたいのかがわからなくなり、気持ちもすっきりせず、作品にしっかりと向き合えない時期が続きました。そこで、もっと作品をつくるために、考え方を変えたい!と、大学院でアートの勉強をすることにしました。京都市立芸術大学といえば、自分の尊敬する先生たちの出身校。ヤノベ先生や名和先生もそうですし、カワイオカムラのお二人など、さまざまなアーティストを輩出した場所ですから、特別ですよね。
いまは、石橋義正先生に指導いただきながら研究を続けています。自分の研究テーマは“忘却”で、『Kyoto Art for Tomorrow 2021 ―京都府新鋭選抜展―』で受賞した作品『バーブシュカ』は研究の一環で制作したものです。
博士課程は3年間ですが、デザイナーの仕事も同時進行で続けるため、5年ほどかけて少しずつ学んでいこうと考えています。大学院ではやっぱり、作品をずっと作り続けていくための技や方法を身につけたいです。先生方が作品へ向き合うときの姿勢を間近で見せていただいて、自分なりにしっくりくる姿勢を探しているところです。進学して環境が大きく変わりましたが、最近ようやく、こういう姿勢でいこうかな、という形が見えてきました。
京都の大学に在籍しながら活動する良い点は、他大学との交流がしやすい環境ということ。京都大学をはじめ、さまざまな大学とのつながりができ、良い連鎖が生まれ始めているように感じています」。
大学院に進学した2019年以降は、展覧会や上映会、勉強会などの企画を自身で行うようになったそうで、
「自分自身の作品はインターネットで配信していません。展覧会や上映会など決められた空間で見てもらいたいと考えています。映像の見せ方にもこだわりがあり、たとえばモニターで気軽に見せるという見せ方はしたくない。鑑賞者と作品が一対一の関係になるのが理想で、プロジェクションから反射した光やその周りにある空間も感じてほしい。作品を守るためにも、鑑賞者がどのように作品に向き合うかは、しっかり考えないといけないと思っています。
2019年には、京都のKYOTO ART HOSTEL kumagusukuで個展を行ったのですが、ただ作品を見るだけじゃなく、作品を通して鑑賞者同士がつながることができるような内容にしたいと考えて、会期のうち6日間をイベントにしてみたんです。実際やってみたら、とてもおもしろくて、ライブペインティングや解説パフォーマンスなど、鑑賞体験がより深まるような新しい試みにも挑戦しました。会場で、いろいろな人同士に交流をもたせることで、新たな売り込みもできると感じました。アートマーケットが小さい京都で、アーティストが生きていくためのお金を生み出すのは課題で、企画をお金に変換する方法を地道に模索しています」。
自分なりの「発信」は成長のきっかけ
新型コロナウイルスの影響で移動が限られた2020年以降は、「作品に集中できる環境になった」と語るジダーノワさん。
「大学生はオンライン授業に切り替わって大変だったと聞きますが、大学院の博士課程は、授業がないんです。研究と制作を日々行っていますが、研究=制作みたいなもの。先生方との面談を学校に行って対面で行うか、オンラインでするかの違いがあるくらいで、変化はあまりありませんでした。
ただ、外出自粛などで、できることが制限される中、何かしたいけど、何をしたら良いかわからない…というネガティブな思考になりがちでした。それをプラスに変えたいと考えて、2020年の春以降は、3回ほど芸術鑑賞に関する勉強会をオンラインで主催しました。
その時期、緊急事態宣言は解除されていたものの、展覧会やイベントなどさまざまな発表と鑑賞の場に制限がかかっている状況という中、さまざまなオンライン企画が行われていましたが、私が企画したのは、オンラインイベントに関する勉強会でした。自分でオンラインイベントを何か企画する前に、まず実際に見て、みんなで勉強しようという趣旨で企画し、見たい展覧会をピックアップして、オンライン上で鑑賞しました。その後、作品の内容の良し悪しではなく、見せ方など技術的なことに注目して参加者同士でディスカッションしたのですが、それがとてもおもしろく、展示方法のおもしろさに気づくこともできて、自分自身、学びがとても多い勉強会になりました。3回の開催を経て、この勉強会は次のステップに進めることにしました」。
2021年に入ってからも、ジダーノワさんの企画は多方面に展開されています。まず、2月28日には、京都・UrBANGUILDで「ジダーノワ アリーナ アニメーション上映会 Alina Zhdanova ANIMATION SCREENING」と題して、自身の作品上映会を行いました。
「このイベントでは自分の手がけた4作品に加えて、ゲストとして、イギリス在住の尾角典子さんの2作品も上映しました。尾角さんは私の好きな作家で、ロンドンのRCAでアニメーションを勉強された方です」。
リアルな場所での上映会を主催する一方で、3月16日からは、ギャラリーでの展示とオンライン展覧会を同時開催する企画展「Symptoms ―4つの思考と身体性」を開催、ジダーノワさん自ら、キュレーションを初めて手がけることに。
「2020年のオンライン勉強会を通して、“こんな見せ方ができたらおもしろいかも”という展覧会のイメージができたので、今回は自分でキュレーションをやってみようと思いました。たまたま同時期に、卒業してからアシスタントとして関わっていたアートスペース感で、キュレーションをやってみないかと誘われたことも重なりました。
今回は4人の作家に出展していただくのですが、それぞれの作家へのインタビューを私が担当して、WEB上で公開します。また、展覧会コンセプトを元にしたムービーを私が制作して、それもオンラインで公開。ローカルの展覧会会場と、WEB上のオンライン展覧会と、鑑賞者がどちらも行き来することで、より理解を深めてもらえるような実験的な取り組みになればいいな、と準備を進めています」。
インタビューの締めくくりに、「発信することは、自分なりに成長すること」と話してくれたジダーノワさん。映像作家としての存在から一歩踏み出し、さまざまなアーティストや鑑賞者との交流の場をつくる“表現者”として――。彼女のこれからの取り組みや、新しく見せてくれる世界に、大きな期待が集まります。
(取材・文:杉谷紗香)
Symptoms ―4つの思考と身体性―
ジダーノワ アリーナさんがキュレーションを務めた企画展。ギャラリースペースとWEBサイトで同時に開催し、WEBサイトでは、作家へのインタビューや、作家の紹介などをくわしく紹介。展覧会の可能性を広げる試みを行う。
「外出や行動が制限されている今、身体がその地に留まることで、人の目線の先が、遠くから身近へ移り変わってきたように感じています。日常に対しての思考や身体性を表現している 4 人の作家を選び、ギャラリー空間で発表すると同時に、オンラインでも発表を行います」。
会期 | 2021年3月16日(火)〜28日(日) ※休廊日 3月22日(月) |
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会場 | アートスペース感 京都市北区堀川通今宮一筋下ル東入 東高縄町69 |
出展作家 | 水木塁、堀川すなお、クニモチユリ、顧剣亨 |
キュレーション | ジダーノワ アリーナ |
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