REPORT2020.11.14

アートプロデュース

何気ない “モノ” が大切な何かに変わる ― アートプロデュース学科「記憶と記録とエピソード展」

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  • 京都芸術大学 広報課

瓜生山キャンパス人間館一階のカフェスペースにて、アートプロデュース学科1年生による展覧会「記憶と記録とエピソード展」が開催されています。
 

記憶と記録とエピソード展
「茶碗」

日常の中で何気なく使っている「茶碗」。
毎日の食卓で使用する茶碗、食器棚の奥に眠っている茶碗など、誰しも所有する茶碗があるのではないでしょうか。
本展は、ひとりひとりが選んだ「茶碗」を手に、あらためて「記憶」をたどり、その茶碗にしかないエピソードを「記録」する試みです。
無意識に使用していた「モノ」を見つめ、エピソードと共に語ることで「大切な何か」に変わる時間をお楽しみください。

浮かび上がるあのときの出来事や、思い起こされる大切な人との対話…。
みなさんの茶碗には、どんな記憶がありますか?


こちらの展覧会は「アートプロデュース基礎演習Ⅱ(指導教員:緒方江美、山城大督)」という、アートプロデュース学科一年生の授業の一環で開かれたもの。授業では、企画構想を実現する上で必要となる組織編成や予算計画、スケジューリングから実施・運営・評価に至るまでのプロセスを理解し、プロジェクトをマネジメントする手法を学びます。

展覧会やワークショップ、各種イベントなどの事例を学んだ後、展示企画を実践。「記憶と記録とエピソード展」と題し、実地調査や企画、展覧会場の展示設営に取り組みました。

会場設営の様子。


今回のテーマは「茶碗」。入学後、約半年間大学に入ることもできず、主にオンラインで授業を受けることとなった2020年度入学の一年生たちが、自身のお茶碗をエピソードとともに展示しています。


幼い頃から使っている思い入れのあるもの、初めてのひとり暮らしで買ってもらったもの、祖父母との思い出、友人からのプレゼントなど、さまざまなエピソードの「記憶」が「記録」されています。エピソードが語られることで、その背景が浮かび上がり、「モノ」が彼らにとっての「大切な何か」に変わっていく様子が伺えます。


ひとつのテーマを元に「モノ」を集め、編集、展示し、新たな意味を与えるというキュレーション技術を実践的に修得。そして、世界の捉え方や眼差しを学ぶ、そんな授業課題になっていると感じます。

展覧会名「記憶と記録とエピソード展」。ここでいう記憶の「記録」とは、record というよりも archive であって、それは、ジャック・デリダがいうところの「物事が始まるところ」。記憶を記録するということも、新たな物語を生み出す創造的な表現の一つの手段なのだと感じさせられました。

また、今年はコロナ禍という特殊な状況下での開催となったことで、その状況を象徴し、あたかもその応答としての企画としても捉えることができる。そんな展覧会になっています。


参考:林田新、中村裕太、小田原のどか『アートライティング5 記録資料と芸術表現』藝術学舎、2019年

記憶と記録とエピソード展「茶碗」

アートプロデュース学科 1年生

会期 2020年11月11日(水)~18日(水)
場所 人間館一階 カフェスペース

 

  • 京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts

    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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