京都駅から少し南に下がった東九条に位置する HOTEL ANTEROOM KYOTO ※1 にて、美術工芸学科 写真・映像コースが主催する展覧会「踊り場と耕作」が開催されています。
京都市内各所に点在する歴史的建造物やモダンな近現代建築に、国内外で活躍する作家の貴重な作品を展示する国際写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント「KG+ 2020 ※2」の展覧会のひとつでもあります。
「踊り場と耕作」は、本学美術工芸学科の教員でもあるアーティスト・髙橋耕平と、共に美術教育の現場に集うアーティストの協力により企画されたもの。髙橋先生のステートメントの言葉を借りれば、「写真、映像を専攻する美術教育の場に集まった者達の “はみ出し” の場」。
※1 HOTEL ANTEROOM KYOTO(ホテルアンテルーム 京都)
2011年当時、学生寮として使用されてきた建物をコンバージョンしオープンしたホテル&アパートメント。館内には、ギャラリー・朝食レストラン・バーを併設。2016年、新たに67室を加え、50室のアパートメントと全128室の客室にリニューアル。コンセプトである「アート&カルチャー」に新たに「和」が加わり、それら3つのテーマを現在進行形の視点で捉え、「京都の今」を発信している。
※2 「KG+ 2020」 KYOTOGRAPHIE Satellite Event
アーティストやキュレーター、ギャラリー、美術館、教育文化機関等が企画・主催する個展やグループ展、およびフェスティバルの協賛企業による展覧会。
会期:2020年9月18日(金)〜10月18日(日)
会場:京都市内各所
加納俊輔
《Cool Breeze On The Rocks_03 (Steakhouse) 》
澤田華
《___からはじまる、___のための___(仮)》
髙橋耕平
《纏の動作 ー「あなた」への落とし前》
多和田有希
《Family Ritual》シリーズ
堀井ヒロツグ
《身体の中の遠い場所》 《まなざしの対話》 《水の中で目を瞑って手を繋ぐ》
水木塁
《MML(雑草のポートレートおよび都市の地質学)》
麥生田兵吾
《A1, regeneration》
ホテルアンテルーム京都では、関連するグッズや画集、ZINEなどが常設販売されているのですが、今回の展示にちなんで、写真・映像コースの学生の写真やブックレットなどを販売するコーナーも設置されていました。
会期は「10月18日(日)」まで。お近くにお越しの際は、ぜひご覧ください。
また、写真・映像コースの Instagram「kua.photographyandvideo」にて、展覧会の準備の様子が投稿されています。また、出品作家へのインタビューや対談などを収録し、そのアーカイブを公開予定とのこと。ご興味のある方は、Instagram「kua.photographyandvideo」をチェックしてください。
写真・映像コース Instagram
https://www.instagram.com/kua.photographyandvideo/
(撮影:麥生田兵吾)
展覧会「踊り場と耕作」
参加作家 | 加納俊輔、澤田華、髙橋耕平、多和田有希、堀井ヒロツグ、水木塁、麥生田兵吾 |
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広報デザイン | 中家寿之 |
期間 | 2020年9月14日(月)〜10月18日(日) |
時間 | 11時〜21時 |
場所 | ホテル アンテルーム 京都 |GALLERY 9.5 |
主催 | 京都芸術大学 美術工芸学科 写真・映像コース |
協力 | ホテル アンテルーム 京都、ニュイ・ブランシュKYOTO 2020、一般社団法人HAPS |
踊り場と耕作 ― 事始め
集,合,瞬,間,物,質,感,情,反,復,親,密,重,力,周,辺,解析,同,化,凝,視,魔,術,接,触,化,学,誤,配,代,替,痕,跡,遅,延…ここにある作品を、作家を、まとまりある言葉で的確に示し説明することを放り出するかのごとく、個々作品から見ることのできる要素の一部を言葉として置き、並べる。1つの言葉=1つの作品要素という訳ではなく、2人以上の、場合によっては全ての作品・作家を繋ぐ、串ざす、ゆるく包むこれら。作品から抜き出されバ ラ バ ラと、この紙面に置かれるこれらは、ロビーや通路を会場にした不規則な展示空間の中で再度モノに変換されてもバ ラ バ ラの姿のままだろうか。或いは継がれて「バラバラ」などと意味をなした形を持つだろうか。はたまた形同士が連-結し、ストーリーを紡いでいくだろうか。独立しているモノが繋がり、また離れ、時々飛び火しもながら連-関し合い、相互侵食をする。拒否や無視、抵抗なども含めた物同士の繋がりは、同じ場を共にすることで更にドライブし反応を引き起こす。しかしこれは物に限ったことではない。
「踊り場と耕作」は写真・映像メディアを主たる手法、起点とした7人のアーティストによるグループショーである。「踊り場と耕作」は、写真、映像を専攻する美術教育の場に集まった者達の“はみ出し”の場である。「踊り場と耕作」は休憩所であり、相談所であり、企ての場であり、様々な機能を持たすことができる場である。しかし何をすべきという規定がない場所でもある。偶然のバッタリとした出会いが起こる、それくらいの想定はあるが、今はとりあえず展覧会の形式を借りながらこの場自体を起こしてみる。そういう意味で「踊り場と耕作」はそのままの意味として、踊り場と耕作なのである。
髙橋耕平
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