新型コロナウィルスの影響で今年は入学式を開催できない春となりました。そんな中、実際には対面したことのない新入生11人が1本のアニーメション作品「ぼくらのみらい」を全てオンライン上で完成。大きな話題となりました。
きっかけはキャラクターデザイン学科の川向正明先生やアドミッションオフィス職員が主催した「新入生向けオンラインお茶会」。その後、同級生だけの「Zoomおしゃべり会」が始まりました。
学科を横断した仲間が集まり、そのうちリモートで作る作品を制作したいという思いが膨らんでいき、最終的に世間でも話題となった疫病を鎮めるとされる妖怪「アマビエ」にヒントを得て、今回の作品を制作。
この学生11人のグループ「Ausdruck(アウストローク)※」をまとめる舞台芸術学科 演技・演出コースの荻野 樹(おぎの いつき)さんは「1回生だけで何かを創りたかった」と語ります。
5月2日から各自の自宅を作業場に、最初は2~3日に1回、次第にほぼ毎日3~4時間、時には日を跨いでの議論、作業になりました。
子供からお年寄りまで万人に見てもらいたいという思いから、3密やソーシャルディスタンスなどの言葉は使わず、わかりやすい言葉で表現するよう心掛けたと言います。自粛時期に気が緩んでしまった人への意識啓発はもちろん、「自粛警察」といった過度に自粛を求める人々への注意喚起の他、医療従事者や生活必需品を提供し続けた小売店への感謝も描かれています。
制作に関して苦労したところは?と尋ねると「やっぱり編集(映像や音、場面の切り替えタイミングの調整)ですね。」とキャラクターデザイン学科キャラクターデザインコースの佐野 峻生(さの たかき)さんは語ります。それは編集の技術的なことというよりも、LINEやZoomなどを用いた意見交換の難しさ。直接話し合えば簡単に解決できることでも、直接会えないという状況が一番苦慮したところだったようです。
自粛解除となる前の公開を目指し、作品は3週間という期間で完成しました。出来栄えについて荻野さんは「今持っている力、全てを出し切った最高傑作ができました。この4年間で多くの事を学び、これを超える作品をこれからも作っていきたいと思っています。」と笑顔で答えてくれました。
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