REPORT2020.05.01

春の到来を告げる一文字看板 ー 都をどり2020

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  • 京都芸術大学 広報課

京都最大の花街・祇園甲部の「都をどり」は、1872年(明治5年)から続く春の風物詩として知られていて、毎年、国内だけでなく海外からも多くの方が公演に訪れます。2016年秋からの祇園甲部歌舞練場の耐震工事の為の一時封鎖を受け、2017・2018年の2年間、京都芸術大学キャンパス内の京都芸術劇場 春秋座で「都をどり in 春秋座」を開催しました。これをきっかけに本学は祇園甲部との交流を深めました。昨年、京都四條・南座で開催された「都をどり」でも、南座正面に掲げられる一文字看板の制作を産学連携プロジェクトの一環として学生が手掛けるなどそのご縁は続きます。

そして今年も美術工芸学科 山本太郎先生主導のもと、学生有志14名により“令和2年「都をどり」”の一文字看板が描かれました。今年の演題「技競令和花模様」から着想を得てつくられたデザインには、「令和の慶祝カラー」である「梅」「すみれ」「桜」の3色を取り入れています。春らしさを持ちながらも「都をどり」の文字が映えるシンプルなものに仕上げました。京都市の景観や看板に関する条例に即しながらも華やかさを失わないよう、細部にまで工夫が施されています。

製作の様子
一つ一つ丁寧に描かれていく

学生たちは今年1月中旬からデザインを考え始め、複数のデザインをクライアントである祇園甲部のみなさんへ提案し、決定しました。2月中旬から実際の看板に絵具を用いた全て手描きの制作作業が始まり、約1ヶ月をかけて3月中旬に看板は完成。祇園甲部のみなさんにも最終確認をしていただき、あとは南座正面への設置を待つのみだった頃、新型コロナウィルス感染拡大防止のため今年の「都をどり」の中止が決定しました。

「都をどり」を心待ちにされていた方はたくさんいらっしゃり、また制作に携わった学生たちも看板の設置と本公演の開催を楽しみに過ごしてきました。公演の中止、そして南座に掲げお披露目することができないこととても残念に思います。しかし、学生たちが製作した今年の一文字看板をなんとか多くの方に届けることができないかと考え、学内外の多くの関係者が立ち上がりました。そして、祇園甲部のみなさまのご支援・ご協力をいただき、キャンパスで期間限定の展示が行われました。(現在展示は終了しています。)

学内入構禁止のため、設営作業は教職員によって行われた
一つ一つ丁寧に開封されていく
本展示は本来の公演期間に合わせて4月27日まで行われた

 

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