大阪・梅田の中心部に新たに誕生した商業施設「LINKS UMEDA」。その一角に11月27日にオープンした「スターバックス コーヒー LINKS UMEDA 2階店」には、京都造形芸術大学の学生が制作に携わった作品が展示されています。「梅田みらみらの木」と名付けられた作品の制作者は、淀川の河川敷で集めた漂流物から数々のアート作品を生み出してきた淀川テクニック(本名・柴田英昭)さん。学生たちは河川敷での材料探しから店舗での設営まで関わり、憩いの場にふさわしい作品作りの一端を体感しました。
同店のデザインコンセプトは「SHINRIN-YOKU TREE」。カウンターや机などに大阪産の木材を使用するなど、大阪の自然を積極的に取り入れた独立2階建ての店舗です。コーヒーの香り漂う中、森林浴をしているかのように心からリラックスできる場となるようデザインされています。
2階と3階をつなぐ階段の壁に、幅約4m、高さ約3.5mの柴田さんの作品が飾られています。作品名の通り、木をモチーフにしており、大阪府河内長野市から寄せられた間伐材をメイン材料に据え、淀川で拾い集めたボールのほか、大阪の子どもたちが家具を製作した際の端材や木の枝、木の実などを材料に耕作した作品が一つのアートとして展示されています。
柴田さんは、2018年度まで京都造形芸術大学の非常勤講師を務められ、本年度は第一線のクリエーターと学生が共同制作する京都造形芸術大学のウルトラプロジェクトに参加いただいています。この「淀川テクニック!プロジェクト」の一環として、学生10人が今回のアート制作に関わらせていただくことになりました。
柴田さんとともに淀川河口付近の河川敷で作品の材料集めに参加した学生たち。持ち帰った品は、大学内の共通工房「ウルトラファクトリー」で漂流物の面影を残しつつも念入りに洗浄しました。その後、工房内に敷いたシートの上で仮組し、間伐材を幾重にも用いた一つの大きな木の周辺に色とりどりのボールや生活用品などを配置して、完成イメージを膨らませていきました。
実店舗での設営期間は約1週間。階段スペースに足場を組み、設計図とにらめっこしたり柴田さんからアドバイスを受けたりしながら、一つずつ取り付けていきました。漂流物以外の材料として、柴田さんとスターバックスのバリスタや大阪の子どもたちが家具を製作する際の端材や木の実などを使ってさまざまな森の生き物を表現した作品も使用。柴田さんがライターやルアーなどで仕上げた2羽の鳥も添えられ、「スターバックスの森」にふさわしい空間に変貌するとともに、「持続可能な自然環境を考えるきっかけになれば」との思いも込められました。
外観も緑に覆われ、高層ビル群の中でもひときわ目も引く同店。梅田にお越しの際は、大阪の木材と淀川の人工物との調和を感じられる芸術作品を、ぜひご覧ください。
スターバックス コーヒー LINKS UMEDA 2階店
大阪・梅田の真ん中にスターバックスの想いを込めた“スターバックスの森”が誕生。店内の家具や内装には大阪産の栗の木やおおさか河内材をふんだんに使用。
住所 | 大阪市北区大深町1-1 LINKS UMEDA 2F |
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営業時間 | 7:00〜23:00(不定休) |
店舗面積 | 74.45坪(246.112㎡) |
席数 | 98席(2階13席、3階73席、テラス席12席) |
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