INTERVIEW2019.11.01

アート文芸教育

tupera tupera 亀山さんインタビュー - 絵本の面白さ感じて

edited by
  • 京都芸術大学 広報課

「しろくまのパンツ」「パンダ銭湯」などの人気絵本で知られる2人組ユニット「tupera tupera」。京都造形芸術大学こども芸術学科客員教授の亀山達矢さんと中川敦子さんが2002年から活動しているユニットです。そんなお二人の軌跡をたどる大規模な展覧会が11月23日~12月25日に開催、その関連イベントとして12月15日には京都造形芸術大学でtupera tuperaのお二人とこども芸術学科の学生による読み聞かせイベントも計画されています。生活の拠点を置く京都で行われる両イベントを前に、亀山さんに注目点や開催するにあたっての思いなどを伺いました。

tupera tupera(ツペラ ツペラ)

京都在住の亀山達矢と中川敦子によるユニット。「木がずらり」(2004年)を皮切りに、絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、舞台芸術、アニメーション、雑貨など、様々な分野で幅広く活動している。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションを担当。主な著書に「かおノート」「やさいさん」「うんこしりとり」など。「しろくまのパンツ」(2012年)は第18回日本絵本賞読者賞、第2回街の本屋が選んだ絵本大賞グランプリを受賞、「パンダ銭湯」(2013年)は第3回街の本屋が選んだ絵本大賞グランプリに選出。2019年に第1回やなせたかし文化賞大賞を受賞。京都造形芸術大学こども芸術学科客員教授。

ーー 美術館「えき」KYOTOで開催される展覧会「ぼくと わたしと みんなの tupera tupera 絵本の世界展」はどのような内容ですか。

15年間の活動のすべてが集結しています。これまで発表した30冊ほどの絵本の原画を集めているので、原画と向き合って「こうやって作っているのか」と共感しながら進んでもらいたい。ちょっと真面目な展覧会です。
とは言っても、子どもから大人まで楽しめる内容なので、親子で一緒になって楽しんでほしいです。入り口では大きなしろくまがお出迎えしていて、会場の真ん中くらいにはパンダ銭湯がある。全国各地を巡回してきたのですが、美術館デビューをする子どもがすごく多い印象です。子育中でなかなか美術館に足を運べていなかったお母さんたちも、たくさん来てくれました。

ーー 注目するべきポイントを教えてください。

どの原画も貼り絵なので、見応えがあると思います。すべて手作業で作っていて、パーツを一つ一つ切って、のりで貼っています。印刷物では表現できないつくりです。絵本はページのすべてを使って表現しなければなりません。物語の構成力やデザイン性など、単に絵がうまいだけでは作れない。高度な作業の連続だからこそ面白いのだと思います。そういった過程をぜひ見てほしいです。

ーー 展覧会を訪れた人にどういったことを感じてもらいたいですか。

絵本の面白さに気付いてほしいです。絵本は決して子どもだけのものではありません。コミュニケーションツールであり、年齢に関係なく誰もが持つ“子ども”の部分を刺激して、みんなで楽しめるものです。大人になってもう一度読んでみると、昔の懐かしい感情をきっと思い出します。絵本から離れてしまっている学生世代の皆さんにもそういった経験をしてもらい、子どものときの記憶や、絵本業界を含めた絵本の世界の面白さを感じてほしいですね。

「真剣につくった展覧会だからこそ、原画に向き合って絵本の面白さに気付いてほしい」と話す亀山さん

ーー 展覧会の関連イベントで、12月15日に「クリスマスえほんライブ」が京都造形芸術大学で開催されます。会場のレイアウトや装飾はこども芸術学科の7人が担当します。

絵本は読み手が演出家になります。通常は他人が読むことを前提としているので、僕自身が読むということは本来想定していません。でも作品に込めた思いを知ってもらえる機会になるので楽しみです。それに今回は一緒に演出してくれる学生がいるという今までにないパターン。学生とのコラボレーションでこれまでにない作品が出来上がることを期待して、ワクワクドキドキです。

自分たちが考えた会場空間を説明するこども芸術学科の学生

 

クリスマスパーティーのような楽しげな空間を目指して、議論を重ねるメンバー

ーー クリスマスを前にしたイベントですね。

クリスマスパーティーのようなイメージで 楽しげな空間にしたいと思っています 。僕たちの絵本やイベントは対象年齢はありません。どなたにも楽しんで頂けると思います。特に今回のイベントは、この日だけの学生とのスペシャルなコラボレーションとなります。みなさん是非お越しください!

会場となる京都造形芸術大学望天館4階でも、空間のイメージを話し合った

会場デザインを練り上げた学生たちは、クリスマスえほんライブ当日までに自分たちの手で会場を作り上げます。一体、どのような空間となるのか、学生と亀山さんのアイデアが融合した会場で、tupera tuperaの絵本の世界をぜひ体感してください。11月2日から専用サイトで受け付けます。(先着200人、定員になり次第終了)

ぼくと わたしと みんなの tupera tupera 絵本の世界展

亀山達矢と中川敦子による2人組ユニット「tupera tupera」の軌跡をたどる大規模な展覧会。「うんこしりとり」「しろくまのパンツ」「パンダ銭湯」…。大人気絵本の裏側をのぞいてみませんか。

会期 11月23日(土・祝)~12月25日(水)
会場 美術館「えき」KYOTO(JR京都駅下車すぐ、ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
開館時間 午前10時〜午後8時(入館は午後7時半まで)
入館料 一般900円(700円)高・大学生700円(500円)小・中学生500円(300円) ※()内は前売り
イベント

【tupera tuperaサイン会】
日時:11月23日(土・祝)、12月8日(日) いずれも午後2時から
参加料(本展図録代として):2,400円(税込)
定員:各日60人

【tupera tuperaナイト・ミュージアム】
日時:12月6日(金)午後8時30分~9時30分(予定)
参加料:1200円(入館料含む/税込)
定員:40人(参加は18歳以上。お子さま連れの参加は不可)

http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1913.html

 

クリスマスえほんライブ

tupera tuperaが京都造形芸術大学こども芸術学科の学生たちと一緒に絵本の読み聞かせイベントを開催。会場のレイアウトや装飾は学生が担当。クリスマスも間近です!大人もこどももみんなで絵本を楽しみませんか?素敵な絵本の世界にご案内します。
日時 12月15日(日)午後2時~3時半(開場午後1時半)
会場 京都造形芸術大学瓜生山キャンパス望天館4階
定員 先着200人
申し込み方法 11月2日午前10時から専用サイトで受付開始
参加費 一般800円 中・高・大学生500円 小学生200円 未就学児無料

http://www.kuad.jp/tuperatupera-kogaku/

 

京都芸術大学 Newsletter

京都芸術大学の教員が執筆するコラムと、クリエイター・研究者が選ぶ、世界を学ぶ最新トピックスを無料でお届けします。ご希望の方は、メールアドレスをご入力するだけで、来週水曜日より配信を開始します。以下よりお申し込みください。

お申し込みはこちらから

  • 京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts

    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

お気に入り登録しました

既に登録済みです。

お気に入り記事を削除します。
よろしいですか?