REPORT2019.10.15

アート映像デザイン

大事な要素は言語化と発信-映像演出家・中田拓馬さん(アートプロデュース学科卒)特別講演会

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  • 京都芸術大学 広報課

京都造形芸術大学アートプロデュース学科を2015年度に卒業した映像演出家・中田拓馬さんによる特別講演会が10月10日、京都造形芸術大学で開催されました。中田さんは若手のクリエイターや才能豊かなクリエイターのキャリア形成を支援する年間プログラム「Adobe Creative Residency 2019 」に選出されており、デジタルアート分野でのご自身の経験やこれからの方向性などをお話しいただきました。

デジタルアート分野の第一線で活躍される中田さんのお話を聞こうと、多くの学生が詰めかけた

講演会にはアートプロデュース学科をはじめ、京都芸術デザイン専門学校コミックイラストコースの学生も出席し、会場はほぼ満席に。まず、Adobe Creative Residency プログラムを担当する「アドビ」の川西亮太さんが、フォトショップやイラストレーターなどのソフトを展開するアドビ社の取り組みについて、「デスクトップとモバイルでシームレスに連携する新しいクリエイティブワークフローに力を入れている。スケッチ&ペイント環境を一つにまとめ、イラストレーションのプロが求めるすべてを搭載するアプリ「Adobe Fresco」には注目してほしい」と紹介されました。

アドビの川西さん
モバイルでのワークフローにも注力しているアドビ社の現状について説明された

中田さんはアートプロデュース学科を卒業後、フリーランスで映像を使った体験型展示などを手掛けられています。「新しい映像体験を生み出す」という進路を決めた理由に「子どもとじゃれ合うのが好きで、子どもが遊んだら反応するゲームを作りたい」との思いがあったといい、「今やいろいろなツールをブレンドすることで、簡単に映像は作れる。自分に合うメインツールを見つければ、文字によるプログラミングを使わなくてもビジュアルで映像を構成することができる」と説明されました。

アートプロデュース学科卒業後、フリーランスで映像演出などを手掛けられてきた
音で反応する映像ソフトを実演を交えて紹介された

これまで⼿掛けられた作品の紹介として、モノに触ることで映像と遊ぶことができるという初めてのフリーランス仕事、⾃分で発信すること の⼤切さを思い知ったという作品"Humanelectro + "Σ(SIGMA)"、そして京都府南丹市園部町で通年開催されているイルミネーションイベント『SYNESTHESIA HILLS』 の全体設計・メインコンテンツの三つを挙げられました。一連の活動を通して、「展示に込めた物語を依頼主に伝えても、完全に伝わらなかったりイメージが乖離していたりしたら、内容がどんどん変わっていく。自分発信で思ったものを作るには、ゼロから自分で作り上げるか、言葉を吟味して伝えられるように努力するかしかない」と感じるようになったといいます。

そんな境地の中で出会ったのが「Adobe Creative Residency 2019 」。5年前に始まり、日本では今年が初開催のプログラムです。世界中から応募した1600人の中から選ばれた9人が、アドビ社の支援を受けながら、自身の創作を極めることができます。

自身の作品を振り返る中田さん。米国・ロサンゼルスで11月に開催されるデザインカンファレンス「Adobe MAX」では全長40mの映像作品を展示するという
クリエイターとして、自身の活動や作品を多くの人に見てもらうために、SNSでの発信の重要性を強調された

世界中で開催されるイベントやクリエイターとの交流が可能なプログラムに参加する中で感じたこと。それは、自分が何をやっているかを言語化することや、SNSやYou Tubeで発信することの重要性だそうです。「作家は自分の作品を見てもらうことが大事。ものづくりは多様化していて、SNSでは違う国の人ともつながれる。学内外のいろいろな人とつながって、インプットや作品を見せる機会を増やしてほしい」。最後に学生の心に響くメッセージを伝えられ、特別講演会は幕を閉じました。

中田拓馬さんの活動はツイッター(https://twitter.com/takumanakata)、インスタグラム(https://www.instagram.com/takuma.nakata)でご確認いただけます。ぜひご覧ください。

 

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