日本、韓国、中国、台湾、マレーシア、スリランカ、タイのアーティスト332人の作品を一堂に集めた展覧会「アジア・ネットワーク・ビヨンド・デザインANBD 2019 京都展」が9月28日(土)、京都造形芸術大学瓜生山キャンパスで始まりました。初日には今年7月に新しく完成した望天館の会議室で初となる国際シンポジウム(国際会議)を開催。東アジアと連帯して芸術の力で平和を目指す本学の開学の哲学を体現するイベントとなっています。会期は10月4日(金)まで。
東アジアの4都市で毎年アンデパンダンな国際デザイン展活動を運営する「アジア・ネットワーク・ビヨンド・デザイン(ANBD)」。12年目を迎える2019年度は「融」"Fusion”を制作テーマに、京都、ソウル、台北、天津の4都市で開催され、本学が京都会場となりました。
メイン会場の人間館1階のギャルリ・オーブには、グラフィックデザイン、写真、イラストレーション、空間デザイン、工芸など、さまざまなジャンルの作品がずらり。「融」から発想を得た作品がパネル形式で展示されるほか、ガラスで蝶を表現したり流木を加工したりした立体造形作品も並んでいます。
開幕した28日は多彩なイベントが繰り広げられました。
望天館2階の会議室で開かれたシンポジウムでは、24人の出展作家が出席した国際シンポジウムを開催。自身の作品に対する思いや制作テーマに関する話題などについて1人ずつお話しされました。
その後、京都造形芸術大学が誇る共通工房「ウルトラファクトリー」を見学した一行。デジタルファブリケーション機器がそろう工房内を見て回り、データ作成から試作品制作までをワンフロアで完結できる仕組みを体感しました。
作品に囲まれたギャルリ・オーブで行われた基調講演「幾何学と芸術」の講師は神戸芸術工科大学のシュワーベ・カスパー教授。カスパー先生は従来の講演のイメージとはかけ離れた“パフォーマンス調”で、自作の道具を用いながら美しいデザインの比率とされる白銀比、青銅比、黄金比をダイナミックに紹介。自由自在に道具を操り、自身も道具の中に入り込んで「黄金比を知ると中毒になる」と説明されるカスパー先生の講演に、聴講していた方々は釘付けとなっていました。
美術家のツツミエミコさんによるワークショップ「終わらない模様-麻の葉」もあり、三角形の「麻の葉」模様を和紙にフリーハンドで書き続ける面白さや、次第に生じる模様の規則性に夢中になる人が続出していました。
地域、世代、ジャンル、産学などの枠組みを超えて、東アジアにおける独自のステージ創出を目指すANBDの展覧会。東アジアのアーティストたちがそれぞれの視点でテーマをとらえ、表現した作品が勢ぞろいしています。会期は10月4日までです。東アジアの熱量をぜひ肌で感じてみてください。
※今後のANBD展※
10月18日~:ソウル会場
11月3日~:天津会場
11月24日~:台北会場
アジア・ネットワーク・ビヨンド・デザイン ANBD 2019 京都展
2019年度の制作テーマは「融」。東アジアの332のメッセージが作品になりました。
期間 | 9月28日(土)~10月4日(金) |
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会場 | 京都造形芸術大学瓜生山キャンパス人間館1階ギャルリ・オーブ |
時間 | 10:00〜17:00 |
入場料 | 無料 |
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京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts
所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
連絡先: 075-791-9112
E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp