REPORT2019.09.11

アートデザイン

Kawaii で 世界を変える―増田セバスチャン カラフル・ラボ プロジェクト

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  • 京都造形芸術大学 広報室

京都造形芸術大学では、学内の共通工房「ウルトラファクトリー」に第一線で活躍するアーティストやクリエイターを迎え、彼らの制作の現場から発表に至るまで一部始終に関わる実践演習「ウルトラプロジェクト」を実施しています。2019年度は10本のプロジェクトが発足し、学科・学年の枠組みを超えて多数の学生が参加しています。

原宿Kawaii文化の第一人者として世界から支持される本学情報デザイン学科客員教授の増田セバスチャン氏は、2015年から2017年まで3年連続で立体作品を制作するウルトラプロジェクトを実施しています。

「カラフル・ラボ」と題して始動した今年の増田氏のプロジェクトは、前期に「Reborn-Art Festival」(宮城県)で発表する作品の制作、後期には作品や商品開発に挑む研究ゼミという2本立てで進みます。同プロジェクトに参加する学生たちは、増田氏から直接ご指導いただき学び多き濃密な1年を過ごします。

 

「Reborn-Art Festival」は、宮城県の牡鹿半島と石巻市を舞台にした「アート」「音楽」「食」の祭典です。2017年に開催された第1回「Reborn-Art Festival」では、3件のウルトラプロジェクトが発足し、当時の参加学生はハスラー・アキラ氏、宮永愛子氏、増田セバスチャン氏とともに、作品制作から展示まで携わりました。

第1回目の同展では、増田氏と学生たちは牡鹿半島の森の中でツリーハウス型の作品《あっちとこっち #東北》を制作し展示しました。

《あっちとこっち #東北》2017 Photo: OMOTE Nobutada

《あっちとこっち #東北》2017 Photo: OMOTE Nobutada

第2回目となる今年の「Reborn-Art Festival」では、増田氏はウルトラプロジェクトに参加する学生と制作した野外展示作品を旧荻浜小学校の校庭で発表。タイトルは《ぽっかりあいた穴の秘密》。校庭に大きな穴を出現させ、その穴の中での体験を鑑賞者がそれぞれに受け取るという作品です。

作品:《ぽっかりあいた穴の秘密》

--以下、作品キャプションより。

「穴」。
それは凸凹のぼこ。
圧倒的なネガティブな存在である「穴」が、空に向かってどこまでも突き出ていくとき、それはポジティブになりえるだろうか?

ミヒャエル・エンデ作「モモ」の主人公は、円形劇場の廃墟に住みついた女の子のはなし。
モモに話を聞いてもらうと、悩みをたちどころに解決してしまうので、モモは、いつの間にか町になくてはならない存在になりました。

「穴」に降りていくと、そこは誰かの劇場。
空を眺めたり、佇んだり、考えごとをしたり。
穴の中で誰かの物語を空想しながら、私たちは“ぽっかり空いた穴”をキラキラで満たしていきます。

 

2019年度の増田氏の「カラフル・ラボ」プロジェクトには、審査を経て選抜された13名の学生が参加しています。学生たちは「Kawaii」のコンセプトや増田氏のアートワークに共感し集まりました。学生は、主に制作を担当する「制作班」と、活動記録や発信・PRを担当する「PR・メイキング班」に分かれて今年5月から活動を開始しました。

作品《ぽっかりあいた穴の秘密》は「穴」の外側の構造物と内側の装飾物に要素が分かれています。学生は内側の装飾制作を担当することになり、増田氏やアシスタントのスタッフの方の指導で穴の内側約80㎡を「キラキラで満たす」準備を進めます。

高いモチベーションを維持することで、授業課題とプロジェクトの制作を両立させる学生たち

制作班は布やおもちゃを「Kawaii」のルールに沿って装飾します。増田氏が不在の日も学生だけで作業を進め、東京・京都間でのネット会議や学内での直接指導などでクオリティのチェックを繰り返しながら、約2ヶ月間作品に向き合い続けました。

高まる緊張感とプレッシャーと戦いながら制作は続き、ついに石巻へと作品を送り出す日を迎えます。自分たちが想いを込めた装飾がどのように「穴」の内部で人々を魅了するのか、現地からの報告を待つのみです。

一方「PR・メイキング班」は、カラフル・ラボのプロジェクトを多くの人に知ってもらい、「増田セバスチャン」「Reborn-Art Festival」に興味を持ってもらうための情報発信・グッズ展開を企画しました。

 

カフェ「BREATH KUAD」

瓜生山キャンパス・人間館NA棟1階に位置するカフェ「BREATH KUAD」のカウンター内に出現したのは「今、Kawaii で 世界を変える」のバナー。カラフルな背景は、制作中の作品材料からピックアップしたモチーフです。

学内の多くの学生が利用するこの場所で、効果的に発信するためTwitterとinstagramのQRコードと、検索用のハッシュタグとして 「#REBORNARTFESTIVAL2019」「#増田セバスチャン」「#カラフルラボ」を配布しました。さらに、Twitterでは制作中のワンシーンを切り取った4コマ漫画(Twitter)、instagramではグリッドを使った大画面投稿とストーリー投稿(instagram)、YouTubeでは、活動紹介やプロジェクトメンバーの自己紹介など(youtube)配信するなど、媒体の特徴を捉えて配信方法にも工夫を凝らします。

学内での活動のみならず、会場となる石巻の地元の方にも「Reborn-Art Festival」を身近に感じてもらうため、PR・メイキング班の発案で「うちわ」を制作。会期中、石巻市内の飲食店で配布されています。

今回のプロジェクト参加メンバー13名のうち、9名が1年生。その内、PR・メイキング班の3名は全員1年生です。デザインの勉強を始めて間もない中、増田氏や「Reborn-Art Festival」に携わるスタッフの方々から多くのことを学んでいます。同プロジェクトの広報を担当することで、デザインが持つ力、情報を展開することの難しさ、社会や周囲の人々との連携の大切さを実感したようです。

学生たちの奮闘が実り、無事に8月3日に初日を迎えた「Reborn-Art Festival」。作品《ぽっかりあいた穴の秘密》を鑑賞に訪れた方からは、外装と内装のギャップに驚き、特別な体験ができたなど、SNSを通して多くの感想が寄せられています。

《ぽっかりあいた穴の秘密》外装

《ぽっかりあいた穴の秘密》内装         

作品が展示されている「桃浦エリア」では、唯一の同展オフィシャル宿泊施設である「もものうらビレッジ」や「旧荻浜小学校の廃校舎」を中心とした日中のアート展示とともに、オーバーナイトイベントも開催されています。9月6日には《ぽっかりあいた穴の秘密》の作品内でもナイトプログラム「ぽっかりあいた穴の秘密:秘密はなし」が実施されました。構想段階から参加していた学生たちも増田氏とともに参加。

今月末の会期終了まで、より多くの方に作品が届くよう「PR・メイキング班」もさらなる広報活動を展開予定です。今後の活動にもどうぞご期待ください。

Reborn-Art Festival2019(リボーンアート・フェスティバル2019)

会期 8月3日(土)~9月29日(日)※水曜休祭予定(イベント開催日は除く)
時間 【平日】10:00~16:00(15:30最終受付)【土日祝・8月13日〜16日】10:00〜17:00(16:30最終受付)※詳細はHPをご確認ください。
開催場所 石巻中心部・牡鹿・網地島・松島湾
主催 Reborn-Art Festival 実行委員会、一般社団法人APバンク


Reborn-Art Festival2019:https://www.reborn-art-fes.jp/

 

増田セバスチャンWEBサイト:https://sebastianmasuda.com/

 

  • 京都造形芸術大学 広報室Office of Public Relations, Kyoto University of Art and Design

    所在地: 京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館2階事務室
    連絡先: 075-791-9112 (内線 3030/3033)
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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