人気ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」を生み出した富野由悠季監督をお招きした特別講義が7月12日、京都造形芸術大学映画学科で行われました。富野監督はガンダムとともに歩んできた半生を振り返り、映画におけるシナリオの重要性などを説明されました。
身長20mの巨大ロボットが巨大メカや宇宙人を撃退するというアニメを送り出し続けて5年ほどが経ち、新たなことに挑戦しようと映画製作を始めた富野監督。その際、ベースとなるシナリオの重要性を意識していたそうです。「『巨大』『量産』というキーワードを基にシナリオを考えると、敵を人間にした宇宙戦争しかないと考えた。敵と味方をつくるという設定が肝で、敵と味方が絶対的に分かれていれば、物語をつくりやすくなる」。巨大ロボットジャンルの映画で、初めて宇宙人以外が敵になったという構想秘話について話されました。
大学では映画学科に在籍し、3カ月ごとに1本のシナリオを書く生活を2年間続け、この経験が物語を構成する力の養成に大きく役立ったといいます。「映画の基本は本。アニメのシナリオでは基本的に実写はできない。映画に見合ったストーリーをどう作るかが大事で、そのアイデアがない限り、短編でも作ってはいけない」と強調されました。
「『ウエストサイドストーリー』でなぜこのカットが続いているのかが分かれば、映画の真骨頂が理解できる」「映画を撮ることは動きを撮ることであって、映像を撮るときには極めてクールでなければならない」。このほかにも、映画業界を志す学生からの質問に対して、心に響くメッセージをたくさんお伝えいただきました。
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