靴下の製造工程で生じる端材や廃棄される靴下を用いた作品を紹介する展示会「タクティナブル―持続可能な装身具―」が京都造形芸術大学人間館1階で開かれています。手掛けたのは、本学美術工芸学科染織テキスタイルコースの3年生15人。国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)に考えをめぐらせ、単なる素材の再利用ではなく、より価値の高いモノに生まれ変わらせる「アップサイクル」を目指した装身具が並んでいます。
河野愛先生が指導される染織テキスタイルコース空間計画ゼミでは本年度前期、「靴下屋」などを展開する大手靴下メーカー「タビオ株式会社」のご協力のもと、靴下のつま先を閉じる際に生じる輪状の端材(通称:はぎれわっか)を活用して装身具を生み出すプログラムに取り組んでいます。株式会社タビオ企画室の田口裕貴さんから靴下業界の現状について説明を受けたり、製造工場を見学したりして、自身の作品へのイメージを膨らませ、制作に取り掛かりました。
展示会の名称となった「タクティナブル」は「触覚=tactile」と「持続可能性=sustainable」を組み合わせた造語。学生たちは触覚へのアプローチを意識し、はぎれわっかと耐久検査で市場に出回ることのなかった靴下をほぐしたり裁断したりして、仕上げていきました。
会場には、一番体の内側にある装身具は脂肪だと考え、ドレスで脂肪を表現した「肉襦袢(にくじゅばん)」、「足と出会えなかった靴下がはだしと再会する」ことを目指したラグ状の「コケ」、天然パーマというかつてのコンプレックスから発想を得た帽子「Natural Perm Cap」など、工夫を凝らした作品を展示。作品のそばには作り方を載せたレシピを置き、持続可能な再現性を示しています。
河口美沙希さん、吉田彩華さんの2人をリーダーとした学生たちは、はぎれわっかを使ってしおり風に仕立てたDMを作成するなどして、自分たちの力で作品展開催まで至りました。肉襦袢の制作者である河口さんは「素材感を体感してほしい。触ってもいいマークが付いている作品もたくさんあるので、質感の面白さを楽しんでほしい」、コケを制作した吉田さんは「形もテーマも違う作品が集まり、見応えがあるものがそろっています」と来場を呼び掛けています。
展示期間は7月17日までです。直前まで改良を重ねたという学生たちの自信作をぜひお楽しみください。
※SDGsとは:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
※京都造形芸術大学では2019年4月より「SDGs推進室」を立ち上げ、目標の達成、課題解決に向けて積極的に取り組んでいきます。
タクティナブル – 持続可能な装身具 –
京都造形芸術大学美術工芸学科染織テキスタイルコースの空間計画ゼミ生15人が、「タビオ株式会社」の協力のもと、廃棄される靴下を素材に用い、触覚にアプローチした作品展。
会場 | 京都造形芸術大学人間館1階インフォメーション前 |
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開催期間 | 7月9日(火)~7月17日(水) |
開催時間 | 9:00〜19:00(最終日は17時まで) |
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