NEWS2019.04.25

建築デザイン

デザインは発見と判断の繰り返しー「Morpholio Trace」開発の長谷川さん特別講座

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  • 京都芸術大学 広報課

タブレットの画面上で手軽にトレースができるiPad専用アプリ「Morpholio Trace」を開発した長谷川徹さんをお招きした特別講義が23日、京都造形芸術大学で開かれました。長谷川さんは開発に至った背景や、アプリが活用されることで期待される効果などを説明しました。

「Morpholio Trace」は、その場で映し出したカメラ画像にトレースペーパーの役割を持つレイヤーを画面上で重ね、iPadのペンを使ってトレースができるアプリです。AR機能搭載のカメラを使用し、平らな面を探知し枠(寸法の正しいグリッド)を自動的に画像上で融合することで、リアルタイムで寸法を測れることが特⻑の一つ。 その後キャプチャーをすることにより、今までの写真では得られない情報を写真とともに保存することができ、新しいメディアとのインタラクション(相互作用)を可能にしています

長谷川徹さん(米国・ニューヨークを拠点に活動する建築家、プログラマー、教育者。テクノロジーと人間との関係性を通してデザイン、アート、発想ツールを製作開発している。コンピューター言語の表現力、脳の仕組み、AR(拡張現実)、ML(機械学習)を取り入れたソフト、アプリの設計・製作・研究などの活動をしている)
Morpholio Traceを使用したイメージ。トレースペーパーに当たるレイヤーを画面上で重ね、トレースが手軽にできる
目の前の風景をカメラで映し出し、家具の配置などを画面で具現化しながらその場で考えることができる

長谷川さんは人間の持っている機能を拡張することがテクノロジーだと定義づけ、コンピューターと人間との間のインターフェースをどう作るかが重要だと考える中、「一番最初の発想段階で機械との会話で有効」という「Morpholio Trace」の開発にたどり着いた、とアプリ開発の経緯を紹介しました。

「図面を考える際、書く作業と考える作業を融合すれば正しい答えが導きやすくなる」といい、ペンで書きながら考えられる「Morpholio Trace」は建築家との相性が良いそうです。紙の図面に落とし込んで考える必要がないため、「建築現場で顧客に画面を見せながら説明できるなど、作業の効率化につながる」と長谷川さん。デザインについても言及し、「発見と判断のサイクルをどれだけ早く繰り返せるかが重要。間違えられる環境があって『こうだった』と判断できる。アクションを起こすなかで修正していくほうが良い結果になる」と創作活動の心構えを語りました。

最後に、Morpholio Traceを使ったデモンストレーションも行われ、聴講した学生たちは目の前で繰り広げられるバーチャルと現実を行き来する世界に浸っていました。

学校法人瓜生山学園 京都造形芸術大学では、現在建て替え整備を行っている新校舎・望天館の最上階に新しい学びの場として「オープンイノベーションフロア」を創造、2023年までにiPad、iPad ProをはじめとするApple製品を活用した全学的プラットフォーム形成を目指しています。

 

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