REPORT2016.09.14

デザイン教育

コミュニティ・ホステルの“つながり”を支えるデザイン

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  • 瓜生通信編集部

鎌倉市由比ガ浜駅から徒歩3分。コミュニティ・ホステル『WeBase鎌倉』は、通りの奥に海が見える閑静な住宅街に立っていた。

ここは、もともと企業の保養施設だったものを、世界を旅する若者に、鎌倉の自然と日本文化を満喫できる日本の拠点にしてもらおうと、株式会社レーサムが開発したもので、この9月15日(木)にオープンする。

単身者からグループまで、来日する多様な旅行者のニーズに対応し、2人用、4人用、6人用や和室、女性専用までさまざまな部屋のタイプを揃えており、値段もひとり当り朝食付きで約4~6千円ほどと手ごろだ。また、宿泊ゲスト、近隣住民の方々、そしてこの施設のスタッフが心豊かな"つながり"を楽しめる場にしようと、館内にカジュアル・フレンチレストラン「Brasserie Gent(ブラッスリーゲント)」やヨガスタジオ 「Another World 」も併設している。"コミュニティ"ホステルを名乗る所以である。

このコミュニティ・ホステル『WeBase鎌倉』のオープンに向けて、京都造形芸術大学 キャラクターデザイン学科の2・3年生36名が、メインロゴを含むロゴマーク3点、言葉が分からなくても一目で意味が通じるピクトグラム56点、館内アートワーク2点のほか、ホームページのデザインやプロモーション用アニメーション動画制作まで、産学連携プロジェクトとして担当した。

9月10日(土)、グランドオープンに向けた内覧会を取材した。

メインロゴマーク
ピクトグラム(56点より抜粋)
館内アートワークより
フロント
館内サイン
館内モニター利用のアートワーク

現地を訪れて、とても驚いたのが、その“アットホーム”な雰囲気である。ほとんどのホテルがただの通りすがりの人に対応するような“よそよそしさ”があるのに対し、ホステルスタッフもレストランスタッフも、みんな昔からの仲間のような気持ちにさせる温かさがある。

開発した株式会社レーサムの関係者に尋ねると、今回オープンする「WeBase鎌倉」の前に、昨年12月に東京・西新井にオープンした「エンブレムホステル西新井」という先例があるそうで、こちらはまだオープンして1年も経たないが、地域とのつながりを深め、近所のお寿司屋さんが宿泊客向けに「にぎり講座」を開いてくれたり、宿泊客が地元のお祭りに参加させてもらったりと、ホステルをベースにコミュニティが出来つつあるとのこと。

そして、今回オープンする「WeBase鎌倉」も、地域と宿泊客とのコミュニティづくりを目指すという。その一助となるであろうか、今回コミュニケーションツールのデザインを担当した学生たち20名が、自分たちのデザインが実際に使われている現場で目を輝かせていた。

ロゴマークのデザインが採用された森岩 遥(キャラクターデザイン学科3年生)に聞くと、チームメンバー全員がアイデアを出し、その中から、選考して更にブラッシュアップをかける工程を8回繰り返して、最終形に至ったという。ピクトグラムのデザインが採用された近藤 岳(同 2年生)は、実際に使われる現場をイメージしながら、言葉が通じない海外からの宿泊客にもストレス無く伝わるデザインに腐心したという。

  • プロジェクトを通じてファミリーのようになった学生とWeBase鎌倉スタッフのみなさん
  • (左から)ロゴマーク担当 森岩 遥(キャラクターデザイン学科3年生)、マップ担当 秋山 侑香(同3年生)、ピクトグラム担当 近藤 岳(同2年生)、グラフィックチームを指導した太木 裕子(キャラクターデザイン学科専任講師)
  • 来場者にプレゼンテーションをするアニメーション担当 漁野 朱香(キャラクターデザイン学科3年生)
  • グラフィックゼミ副リーダー國吉 優希(キャラクターデザイン学科3年生)
  • 内覧会レセプションにて
「WeBase鎌倉」から徒歩1分の由比ガ浜海水浴場

鎌倉は、年間来訪者数が1800万人を超える名だたる観光地だが、宿泊施設の数が少ないため、「訪問する場所」で「滞在する場所」にならないのが地元の悩みの種だとか。2020年の東京オリンピックでセーリングの競技会場となる江ノ島の海を目の前に、「WeBase鎌倉」が学生がデザインしたコミュニケーションツールをベースに、どのような滞在する“コミュニティ”をつくりあげていくのか。当分目が離せない。

 

 

学生たちが制作したプロモーション用アニメーション

 

WeBase鎌倉

住所 神奈川県鎌倉市由比ガ浜4-10-7
電話番号 0467-22-1221
アクセス 江ノ島電鉄線 由比ヶ浜駅から徒歩3分
価格 1人当たり1泊4,000~6,000円(朝食付)

http://we-base.jp/kamakura/

 

 

  • 瓜生通信編集部URYUTSUSHIN Editorial Team

    京都造形芸術大学 広報誌『瓜生通信』編集部。学生編集部員24名、京都造形芸術大学教職員からなる。

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