REPORT2018.06.14

京都アート

忘却の中の山水画 -「霧霾|Wu-Mai」 顧 剣亨 展 Kenryou GU Solo Exhibition

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  • 京都芸術大学 広報課

 京都市南区のワコールスタディホール内のギャラリーにて、7月7日(土)まで、京都造形芸術大学 美術工芸学科卒業のアーティスト、顧剣亨さんの個展「『霧霾|Wu-Mai』顧 剣亨 展 Kenryou GU Solo Exhibition」が開催されています。
 顧さんは4月13日(金)から5月13日(日)まで開催された京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIEのサテライトイベント「KG+Award 2018」でグランプリを受賞した気鋭のアーティスト。2019年のKYOTOGRAPHIE メインプログラムでは招待作家として展覧会を開くことが決定しています。

ギャラリーでは作品の購入も可能[撮影:顧剣亨]
在学中から撮影した作品の数々を展示[撮影:顧剣亨]
作品搬入中の作家[撮影:片山達貴]
「KG+Award 2018」では新たなシリーズでグランプリを受賞した[撮影:片山達貴]

「霧霾|Wu-Mai」 顧 剣亨 展 Kenryou GU Solo Exhibition

会期:2018年5月22日(火)-7月7日(土)
火曜~金曜 10:00-20:00/土曜 10:00-17:30
日曜・月曜・祝日 休み
会場:ワコールスタディホール京都 ギャラリー
入場料:無料

http://www.wacoal.jp/studyhall/gallery/event/article82436

 

---作家ステートメント(ワコールスタディホールHPより)
「霧霾(Wu-Mai)」という中国語の単語がある。それは本来、黄砂現象を指していたが、現在はスモッグと同様の意味を持つようになった。 現代の大気汚染は、例えば高度経済成長の時代と比べて、ある種特異的な美しさを表出している一面がある。健康に害を及ぼす真っ白な大気から、まるで山水画のような時間の流れが感じ取れる。そしてその光景をよく見つめていると、霧霾の中で何気なく続けられている人々の生活が見えてくる。
人間はあるものに過敏な反応を示すが、その期間は比較的短い。気づいた時には既に忘れられ、その熱量は失われていることが多い。今回の作品は4年前から始めたシリーズであるが、その頃の人々は霧霾に対してとてもナイーブであったことを覚えている。だが、時間の流れとともに、私自身も含め、人々の霧霾に対する関心は極めて低くなっている。未だに体に悪影響のある環境にも関わらず、私たちはそのことに麻痺し、まるで何もなかったように生活を続けている。
このような時代の営みの風景を、私は現代の山水画として視覚化することを試みた。

In Chinese there is a word called "Wu-Mai" referring as the same meaning as smog. The word originally means the storm caused by sand or dust.
For instance, comparing to the rapid economic growth period, air pollution in this day is shown as a specific beauty. Sensing from this harmful yet purely white air, itʼs almost like the flowing of time in a Chinese traditional landscape painting. If you look closer in this scenery, people who lives in "Wu-Mai" continue their lives as if there is nothing different. I attempted to visualize this scenery caused by this present state through a contemporary version of Chinese traditional landscape paintings.
Even though at some point people may occur reaction to a certain issue or object, It is only in a relatively short period of time. When they look back to something they used to care a lot about,they found that they have already lost their enthusiasm. This project started from 4 years ago as a continuous series, I still remember at that time a lot of naive thoughts from people regarding to the "Wu-Mai". However as the time passes by, people including myself has few concern about "Wu-Mai". It is not even about how the environment effects on our health, we have became numb towards this issue and continue our lives as nothing have happened.

 

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