SPECIAL TOPIC2017.12.13

京都映像教育

「目標にしてもらえるような存在に」-土村芳さんが瓜生山学園賞を授賞

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  • 米川実果
  • 高橋 保世

 2017年、京都造形芸術大学を擁する学校法人 瓜生山学園は開学40周年を迎えました。それを記念して創設されたのが「瓜生山学園賞」です。大学の理念である「藝術立国」を体現する活動を行う卒業生を讃えるこの賞は、以下の基準から受賞者を選定します。

 ・文化芸術の発展に寄与している人
 ・地域や社会の抱える課題解決に取り組む人
 ・国際的な場での活躍が顕著な人
 ・芸術を志す人に夢を与える人
 ・上記分野でさらなる活躍が期待され、本学園の活動との連携が期待される人

 12月9日(土)、初めての表彰式がおこなわれました。記念すべき1人目の受賞者は、女優の土村芳(つちむら・かほ)さんです。

 土村さんは、2013年映画学科映画俳優コース卒業。学生時代は映画監督で当時学科長だった林海象監督(現・東北芸術工科大学 映像学科長)に師事し、「北白川派」プロジェクト第4弾である「彌勒 -MIROKU-」に少年時代の主人公「江美留」役として出演しました。
 卒業後は、2016年のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で主人公の親友である村田君枝(きみちゃん)役に抜擢され注目を集めました。2017年はTBS系ドラマ「コウノドリ」やANAのCM「『世界は、ひとつになれる。』篇」などに出演するなど多方面で活躍しています。

溢れんばかりの拍手の中登壇した土村芳さん

 表彰式が行われたのは、京都造形芸術大学独自の入学試験「コミュニケーション入試」に合格し、入学前の教育プログラム「0年生プログラム」の開講当日。会場には、2018年に京都造形芸術大学への入学を控えた、土村さんにとっての「未来の後輩たち」がつめかけ、土村さんの受賞を祝福しました。

徳山豊理事長より賞状とトロフィーが贈られた

 土村さんに贈られた瓜生山学園賞のトロフィーは、美術工芸学科のヤノベケンジ教授が制作したもの。美術界に革命をもたらしたマルセル・デュシャンの「泉」をモチーフに、「新しい歴史をつくる革命者であれ」という思いが込められています。
 徳山理事長からは、「この大学にとって、土村さんはずっと『気になり続ける人』。土村さんにとっても『気になり続ける大学』でいられるように、これからも躍進していきたい」とのお話がありました。

式典には「カミハテ商店」で共に映画を製作した映画学科の水上竜士教授が、学生とともに駆けつけた
サプライズで「彌勒 -MIROKU-」の林海象監督も登場。林監督「恒例」の祝砲で会場を沸かせた
400名を超える0年生たち、そして徳山理事長が「おめでとう!」の掛け声とともに土村さんを祝福

 最後に、土村さんから在学生や来春入学する0年生に向けて、メッセージをいただきました。
「京都造形芸術大学は、プロの現場をとても近くで見ることができる大学です。大学の中だけでなく、外の人との繋がりを大事にすることが必要だと思います。これからは、女優として、先輩として、在学生のみなさんに目標にしてもらえるような存在になりたいです」

「大学がある左京区は京都の中でも特に好きな街。いつも自転車で走り回っていました」と語る土村さん

 この「瓜生山学園賞」は年に一度受賞者を決定し、表彰するものです。今年度は土村さんの他に、現代美術家の束芋さん(情報デザイン学科卒)、岳鈺さん(京都芸術短期大学 造形芸術学科卒)の二人が受賞され、2018年初頭にそれぞれに授与される予定です。

  • 米川実果Yonekawa Mika

    1996年滋賀県生まれ。京都造形芸術大学 情報デザイン学科2015年度入学。デザインが地方に対してできることに興味があり、京都を中心にイベントなどの企画に関わってきた。人生のお供はくるりと穂村弘。

  • 高橋 保世Yasuyo Takahashi

    1996年山口県生まれ。2018年京都造形芸術大学美術工芸学科 現代美術・写真コース卒業後、京都芸術大学臨時職員として勤務。その傍らフリーカメラマンとして活動中。