ここ最近、新聞掲載やラジオ出演が続き注目度が高まっている「上終歌会」。文芸表現学科の在学生・卒業生による短歌の会で、2016年の8月から活動しています。10月26日(木)には、月に一度の合評会が開かれていました。
合評会ではまず、一人2首ずつ持ち寄った中から作者を伏せた上で各自好きな歌を選び、一首ごとに票を数えていきます。その後、各作品についての印象や疑問などを共有しながら批評。「なぜこの単語なのか?」「どんな狙いがある?」など表現についての議論や、歌の背景を想像したり自身の記憶を回想したりといったことを通して、さまざまな解釈が飛び出してきます。つぎつぎと意見が飛び交うこともあれば、悩みながらじっくり話が運ぶこともあり。短歌に限らず、作品の鑑賞は一人ですることが多いものですが、ここではみんなで作品の奥へ奥へと分け入っていくことで、その向こう側に広がる壮大な景色へと導かれていくようでした。
この日最多の8票を集めた一首がこちら。
鳥がその瞬間のつぎもまた鳥であることのみを自由とする庭
「すごくいい」「にくい」と参加者が口々に絶賛していたのは、文芸表現学科2016年度卒業の井村拓哉さんの作品。各作品の作者が一番最後に発表される時間もまた、盛り上がるひとときでした。
言葉が行き交う空間で、音や映像や心情、質感、空気感など言葉以外のいろいろなものが立ち上り、作品と相互作用を起こしていく様子には、どんどん引き込まれていくものがあります。一首の短歌にあらゆる角度から向き合い、思いをめぐらせるメンバーの、一語に対する強い思いと好奇心が印象的でした。
上終歌会の活動・近況等については下記ツイッターよりご覧ください。歌会の参加者も随時募集しているので、短歌を通じて言葉と向き合い、他者と交わる場でこそ生まれる熱量に、ぜひ一度触れてみてください。
上終歌会twitter:
https://twitter.com/kamihate_tanka
学科のブログでも活動が紹介されています。
文芸表現学科ブログ:
http://www.kyoto-art.ac.jp/production/?author=11
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