REPORT2017.10.17

京都アート

現代アートの起源を称えて-「見立てと想像力」展トークイベント

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  • 京都芸術大学 広報課

去る10月15日(日)、下京区の元淳風小学校(今年3月に閉校)では、大学院客員教授の宮永愛子先生と空間演出デザイン学科専任講師の八木良太先生によるトークイベントが開かれました。

二人は10月22日(日)まで開催されていた「見立てと想像力―千利休とマルセル・デュシャンへのオマージュ展」に作品を出展。本展のキュレーションを手がけた、大学院学術研究センター客員研究員の小崎哲哉先生がテーマの受け止めや作品の背景について聞きました。

トークイベントも教室で開催。黒板や小さないすなど学校ならではの空間

理科準備室に展示された宮永先生の作品は、化石や標本を保管するガラスケースにナフタリンで象った鍵やパズルのピース、ガラスの書籍が並びます。「この景色の中で見ることによって刺激されるものがある」と語り、見慣れたモチーフの見方を少し変えることで広がる世界を想像してもらえたらと呼びかけました。

ガラスケースの中に展示された鍵とパズルのピース
宮永愛子|せかいのはかりかた 展示風景

八木先生の作品が展示された音楽室には、楽器や音響設備に代わって無機質に並ぶ計測器具や実験装置が。ある限られた機能しか持たないものたちに感じられる可能性や、それらが「確認する」現象、その余韻のおもしろさを、観た人にも追体験してもらいたいと話しました。

八木良太|確認するためのオブジェ

歴史ある小学校という特殊な空間に刺激されたアーティストの想像力が、観る人との間で共振することで見えてくるものがある。「観る人の頭の中でこそ完成する」作品を目指したデュシャンと利休の姿勢が、本展には確かに貫かれています。

デュシャンの<泉>は、学内工房ウルトラファクトリー主催のアートコンペティション「ULTRA GLOBAL AWARD 2017」のテーマである「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」でも重要な意味合いを持ちます。同作品の発表から100年目の今年、デュシャンが確立した手法「レディメイド」を見なおすという様々な試みが、作り手、受け手それぞれに「アートとの向き合い方」を問いかけていると言えるかもしれません。

藤本由紀夫(大学院芸術研究科教授)|Abode of Fancy

展示が並ぶ2階廊下

見立てと想像力―千利休とマルセル・デュシャンへのオマージュ展

期間 10月6日(金)~10月22日(日)
時間 12:00~19:00
費用 無料
住所 京都市下京区大宮通花屋町上ル柿本町609-1
電話番号 090-9829-7029

http://www.nuitblanche.jp/schedule/junpu.php

 

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