REPORT2017.08.04

京都アート

少女のような瑞々しい視点で日常や生活を見つめた作品がずらり ーホテルアンテルーム京都<ULTRA GIRLS COLLECTION>

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  • 瓜生通信編集部

京都駅から少し南に下がった東九条に位置する「ホテルアンテルーム京都」。「京都のアート & カルチャーの今」を発信するこのホテルで、7月27日より「ULTRA GIRLS COLLECTION」が始まりました。

この展覧会は、京都造形芸術大学 ULTRA FACTORYが、今後もっとも活躍が期待される若手女性作家として、以下の6名にスポットを当てたもの。

◆ 井上亜美(2014年こども芸術学科卒業・「ULTRA AWARD 2016」最優秀賞)
◆ 浦田シオン(2016年美術工芸学科総合造形コース卒業・本学大学院2年)
◆ 小野由理子(2012年美術工芸学科染織テキスタイルコース卒業・本学大学院2年)
◆ 長尾恵那(ウルトラファクトリーテクニカルスタッフ)
◆ 成田令真(美術工芸学科総合造形コース3年)
◆ 油野愛子(2016年美術工芸学科総合造形コース卒業・本学大学院2年)

会期初日の27日、アーティストの清川あさみさんをゲストにトークイベントが開催されるというので、現地を取材しました。

  • 会場入り口
  • 井上亜美さんの作品展示
  • 油野愛子さんの作品展示
  • 長尾恵那さんの作品展示
  • 浦田シオンさんの作品展示
  • 小野由理子さんの作品展示
  • 小野由理子さんの作品展示
  • トークイベント会場にて
  • 〔写真左より〕ホテルアンテルーム京都 キュレーターの上田聖子さん、ULTRA FACTORYディレクターで現代美術家のヤノベケンジ教授、アーティストの清川あさみさん
  • 清川あさみさんとヤノベ教授
  • 井上亜美さん
  • 浦田シオンさん
  • 小野由理子さん
  • 長尾恵那さん
  • 成田令真さん
  • 客席側からコメントする彫刻家で大学院芸術研究科の名和晃平教授
  • 記念撮影
  • アフタートークの様子

会場に並ぶのは、少女のような瑞々しい視点で日常や生活を見つめ、同時にそれらを変革し乗り超えていく行動力やポジティブなエネルギーが溢れた作品たちばかり。

たとえば、オープニングトークで「両親には『個性が大事』と言って育てられたのに、その個性が社会生活の邪魔をして、アルバイトの面接に受かったことがない」と語る美術工芸学科総合造形コース3年生の成田令真さんは、その個性溢れる自分自身の姿をモチーフに、ホテルのエントランスからロビー・ミラーなどに作品を展開。トークでは、ホテルにお客さんを送迎するタクシーの運転手さんが「このホテル、いったいどうしちゃったの!?」と驚愕しているというエピソードが紹介されていました。

また、2011年の東日本大震災で狩猟を続けることができなくなった猟師の祖父の影響から、自ら狩猟の免許を取り、映像やインスタレーションの作品を展開する井上亜美さんの作品は、狩猟の生々しい現場の映像が、女性的な目線からか、見るものに神秘的で美しいと感じさせ、そこから自然に対する畏敬の念が沸々と起こってくると同時に、「人間」について強く考えさせられてしまう力強さあります。ちなみに、井上さんは来年2018年に開催される「第21回シドニー・ビエンナーレ」に、世界最年少作家として作品を出品する予定です。

その他、日用品を使ってキラキラ虹色に輝くような油野愛子さんのインスタレーション作品や、ユーモアな視点で普段の女の子の生活を切り取り、小さな木彫に仕上げた長尾恵那さんの作品、ヤモリをモチーフに「陰影」を表現した浦田シオンさんの作品、フレアスカートに円盤アニメーションを織り込んだような小野由理子さんの作品など、会場には女性らしい目線がいっぱい。

ぜひ「ウルトラ・ガールズ」の作品を体感しに、ホテルアンテルーム京都までお越しください。会期は8月27日(日)まで。なお、会期中会場で成田さんの制作が続けられているとのことです。


詳細は、以下をご参照ください。
http://www.kyoto-art.ac.jp/events/1652
 

ULTRA GIRLS COLLECTION

会期 2017年7月27日(木)〜8月27日(日)
会場 ホテル アンテルーム 京都 GALLERY9.5
住所 京都市南区東九条明田町7番
開廊時間 12:00 〜 19:00
主催 HOTEL ANTEROOM KYOTO / ULTRA FACTORY
入場料 無料

http://www.kyoto-art.ac.jp/events/1652

 

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  • 瓜生通信編集部URYUTSUSHIN Editorial Team

    京都造形芸術大学 広報誌『瓜生通信』編集部。学生編集部員24名、京都造形芸術大学教職員からなる。

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