REPORT2024.09.24

教育

未来につながる「プレゼン」の力を――京都芸術デザイン専門学校 2024年度プレゼンテーションコンテスト「ぷれこん」

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  • 京都芸術大学 広報課

夏の風物詩と言えば一般的には花火や祭りですが、京都芸術デザイン専門学校の夏は一味違います。そう、プレゼンテーションコンテスト「ぷれこん」の季節です。

デザイナーやクリエイターを目指して日々研鑽する学生たちが、企業の皆さまを審査員に前期の制作の成果をプレゼンテーションをする「ぷれこん」。今回はファッションクリエイトコースとハンドメイドコースのプレゼンの様子をお届けします。

社会とつながる学びの場として

京都芸術デザイン専門学校は「design for happiness」というスクールコンセプトのもと、授業を通じて社会(企業・団体)と連携し、世の中をより良くするための解決策を提案・発表しています。

学生たちは社会で通用するデザイン思考やプレゼンの力を身に着けるため、自らの専門技術を高めるための座学や実習と並行して、さまざまなプログラムに参加します。

インターンシップや同校オリジナルショップ「obra」での商品販売実習に加え、「企業連携授業」ではさまざまな企業・自治体から依頼を受け、たくさんの商品やプロモーションをデザインしています。

2023年度の連携実績はなんと40件以上。リアルな仕事を学生のうちから経験することで実践力と社会性を身につけることを目的とし、学年・コースごとにグループを組み、企業・団体の方々が抱えている課題を解決するための制作などに取り組んでいます。

「企業連携授業」の成果は実際に製品化されて社会に還元されるだけでなく、毎年2月に京都市勧業館みやこめっせにて実施される「K展 社会連携展」にて成果発表を行っています。​

K展では学生が各作品の説明を行うほか、「ビジネスタイム」では課題の成果のプレゼンテーションを行い、スキルや発想力をPRします。企業と学生の交流を図り、また1年生のうちから採用オファーを得る機会を学生たちに提供しています。

その結果、2023年度の就職率は99.6%と高水準をマーク。また、より学びを深めたい学生には、京都芸術大学に編入する制度も用意しています。

プレゼン力、それはすべての礎

京都リサーチパークからの呼びかけに応える形で、2018年度からビジュアルデザインコースで開始された「ぷれこん」。

2019年度には全コースで開催されるビッグイベントになり、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となりましたが、翌年からは瓜生山学園のキャンパスで実施する形で継続しています。

「ぷれこん」では「企業連携授業」の中間報告会を兼ねており、ここでのフィードバックを活かした成果物が授業の成果物となり、ひいては「K展 社会連携展」に並ぶこととなります。

プレゼンテーションをするのは、2年生全員。プレゼンテーションをプロの皆さまに評価いただくことで、自身の制作物やプレゼンテーションの課題点を見つけ、今後の学びにつなげます。

会場には企業のみなさまに第三者評価審査員としてお越しいただき、社会人として通用するレベルかどうか、という視点で評価シートに記入していただきます。

今年度の評価基準は、

4.ビジネスレベル
3.新卒採用レベル
2.努力が必要
1.準備不足

とのことでした。

プレゼンの時間は3分程度。持ち時間に近づくとタイムキープのためのベルが1回、残り時間が迫ってくると2回鳴らされます。学生たちは時間を意識しながらプレゼンテーションを準備し、「ぷれこん」に臨みました。

【ハンドメイドコース】

ハンドメイドコースの2年生は、株式会社ニッセン様のサステナブルな日本製のファッション・雑貨ブランド「RiFUKURU」との連携として、岡山デニムを用いた商品のデザイン・実物制作に取り組んでいます。

学生たちは「RiFUKURU」の岡山デニムを用いた雑貨・小物のコンセプトを説明し、また試作品をトルソーやスタンドに飾り付けるなどしてプレゼンをしました。

ペルソナ分析やコスト計算を説明することで、よりリアリティのあるプレゼンテーションを実現していました。また、学生たちはそれぞれ、「実際に触れられる」「モデル着用時の写真を投影する」等、より具体的なイメージを持っていただくための工夫を凝らしていました。

【ファッションクリエイトコース】

ファッションクリエイトコースの2年生が挑戦しているのは、株式会社 京都コレクション & エンターテイメント様が主催する「KYOTO COLLECTION VOL.7」でのファッションショーに向けての衣裳デザイン・制作です。

今年度で7回目を迎える「京都コレクション」は、京都が誇る”和”をテーマに、着物、ドレス、ダンス等の様々なカルチャーが融合して作りだすエンターテイメント。学生たちは、今年度のコンセプトである「Flower Wind」をテーマに、「風が吹いたときに広がる」「和の要素を採り入れた」衣裳デザインに取り組んでいます。

スライド資料で衣裳デザインの意図を説明するとともに、マネキンに着せた試作品を見せたり、モデルの写真を投影するなど、ランウェイの上でどのように見えるかを具体的にイメージできるように手を尽くしてプレゼンテーションをしていました。

未来をつくるプレゼンテーション

2年間で学生たちを社会に送り出す。それが、京都芸術デザイン専門学校の使命です。入学と同時に就職を見据えた指導が行われ、学生たちは「社会」のレベルを全身で体感します。

連携授業のクライアントの皆さまの要望に応えるため、学生たちは今回の「ぷれこん」で指摘されたことを見つめなおし、改善すべきところは改善し、評価されたところはより輝くようにアイディアを練り直していきます。

学びの集大成として開催される「K展」に向けて、さらなる高みへ。プレゼンテーションはクリエイティブの世界では避けられない難関です。その基礎をみっちりと学ぶことは、きっと未来に役立つはず。

「ぷれこん」で頑張ったみなさん、お疲れさまでした。みなさんの成長した姿を、ぜひ「K展」で見せてくださいね。

(文=天谷 航)

 

 

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