REPORT2023.04.11

舞台教育

第73回 京おどり in 春秋座 「洛中洛外おどり始 ―出雲の阿国 かぶく夢―」

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  • 京都芸術大学 広報課

京都の春を彩る伝統的な催し「京おどり」。今年は宮川町歌舞練場の改修に伴い、4月1日(土)~9日(日)に京都芸術劇場 春秋座での開催が実現しました。書き下ろしの新作演目や、宮川町とのコラボ企画など、特別なイベントの全貌をお届けします。

「第73回 京おどり in 春秋座」

伝統的な催し「京おどり」を、京都芸術大学の若手クリエイターたちが盛り上げます。これまでも宮川町を応援していただいている皆さまには改めて、今回初めて知る新たな世代、地域の方にはわかりやすく、京おどりや伝統文化・芸術の魅力をお伝えいたします。

会期:2023年4月1日(土)〜4月9日(日)
主催:宮川町お茶屋組合・学校法人東山女子学園
協力:学校法人瓜生山学園 京都芸術大学
場所:京都芸術劇場 春秋座

第73回京おどり in 春秋座 特設ホームページ
https://www.kyoodori-shunjuza.com/

宮川町の芸妓、舞妓が総出演する春の風物詩

「京おどり」は京都五花街のひとつ、宮川町の芸舞妓たちによる春の踊り。京都の名所・名物をモチーフにした踊りで知られています。前半、後半を通して書き下ろされた今年の新作演目は「洛中洛外おどり始 ―出雲の阿国 かぶく夢―」。芸妓、舞妓の舞と、生演奏による三味線や唄の演出によりストーリーを紡ぎます。フィナーレとなる最終章の「宮川音頭」では芸妓、舞妓が総出演し、一糸乱れぬ動きで華やかに郡舞します。


京おどりを、もっと楽しむための企画展

会場となる人間館1階では、芸術・文化に向けた本学園の取り組みを伝えるため、様々な企画展を同時開催。京おどりの新作演目「洛中洛外おどり始 ―出雲の阿国 かぶく夢―」の洛中洛外図屏風舟木本に描かれた出雲の阿国の物語や、京おどりを題材としたアート展示、オリジナル商品販売などをご紹介します。
 

「京おどりねぶたプロジェクト」

瓜生山ねぶたを通じて京おどりを一緒に盛り上げるため、39名のメンバーとラーニングアシスタントのチームを結成。宮川町へのプレゼンを経て、今回の演目「洛中洛外おどり始 ―出雲の阿国 かぶく夢―」にちなんだデザインが採用され、約1か月の期間をかけて制作されましたコンセプトである「のぞき込みたくなる、ねぶた」の通り、ねぶたの正面には「どうぞ、のぞいておくれやす」の文字が。隙間から中をのぞき込むと、宮川音頭の歌詞が光の中に浮かび上がって見えます。京おどりのことを知っている人にも、知らない人にも楽しんでもらえるよう、遊び心溢れる仕掛けが隠されていました。

チーム一丸となって取り組みました!
パーツごとに骨組みをつくり、和紙貼り作業へ
巨大ねぶたが完成!暗がりに灯る一味違った表情も"どうぞ、のぞいておくれやす。"
宮川音頭の歌詞がちらり
舞妓さんの繊細な髪飾りも見事に再現
背中には宮川町の「三ツ輪」の模様も


宮川町の芸舞妓×美術工芸学科 染織テキスタイルコース「いっしょにつくるプロジェクト」

「宮川町の芸舞亜子と芸大生がいっしょにつくった手ぬぐいです。
それぞれが日頃よく使う道具などをモチーフに 芸舞妓と芸大生がイラストを描き
手書きの質感をそのままデザインに活かしました。
私たちの日常を思い浮かべていただけたら嬉しいです。」

いっしょにつくった学生たち
いっしょにつくった芸舞妓さん
デザインをみんなでブラッシュアップ
ロゴやパッケージにもこだわりました!


文芸表現学科「宮川町の十五人 十五の物語、十五の背景。」

「鴨川のほとりで、歌舞伎の隆盛と共に発展した花街が宮川町です。舞子として芸を磨き、一期一会のおもてなしの場で学ぶ十五人の物語をお聞きし、便箋のように折り畳んだ十五種類の冊子にまとめました。
インタビューを担当した京都芸術大学文芸表現学科の学生たちが敬意を抱いたのは、多くが働き方というより「生き方」としてこの道を選んでいたこと。
姿、芸、所作に華があるかたわらには、携帯電話は持ち歩かず、故郷やお客さまとのやりとりは直筆の手紙でといった、伝統とつながる暮らしがある――。そんな宮川町らしい豊かな時間の積み重ねを背景として感じながら、一人ひとりの声を、ご味読ください。」

入り口横にずらりと並ぶ舞妓さんが、来場者の目をくぎ付けに(撮影:吉見崚)
各種一部ずつまでお持ち帰りいただけました
今年、デビューした舞子さんも(撮影:吉見崚)


京おどり in 春秋座 記念学内特別選抜展

伝統文化・芸術や社会連携、地域連携に向けた学生の取り組みや作品を選抜し、学内に展示を行いました。
 

キャラクターデザイン学科「京おどりMV!キャラデ!野村ゼミ!」

「京都芸術大学キャラクターデザイン学科では、本学園の京都文藝復興の理念のもと京おどりの魅力を現代的な視点でとらえ、多くの方々に発信すべく、ミュージックビデオの制作を行いました。

このプロジェクトでは京おどりの魅力を知りそれを現代的な視点から再認識し、完成した作品を通して多くの人々に伝統芸能の楽しさを伝えることを目的としております。

キャラクターデザイン学科でアニメーションを学ぶ学生たちは、京おどりの音楽を元に伝統的な要素を継承しつつ現代的な音楽アプローチで制作することからスタートしすべて学生たちの手によるアニメーションのミュージックビデオを制作しました。

京おどりの伝統が今後も継承され、新しい世代に受け継がれることを期待しています。」


空間演出デザイン学科「Sustainable Social Design-伝統から変える未来に向けて」

「空間演出デザイン学科は、ただモノをつくるのでなく、これからの社会をどのようにすればよいかを考え、社会のデザインをする学科です。
地域や環境、多様性の包摂、そういったたくさんある社会課題の解決を前提としながら、身近な問題に着眼点を持ち、さまざまなリサーチを踏まえて、新たな生活像を提案したり、循環するしくみを考えたり、社会を変える一歩となるプロジェクトを実践することを学びます。
展示作品は、卒業制作の選抜作品です。特に伝統文化へのまなざしをもち、その理念を活かして、自然から循環する社会のしくみや、廃棄するものなどない暮らし方、国産材を活用し山を再生しようとするものなど、新しい社会に必要なサステナビリティをもった価値をデザインしている作品です。
伝統からしなやかでたくましい未来をつくろうとする彼らの鮮やかな作品をどうぞご高覧ください。
空間演出デザイン学科 学科長 廻はるよ

2022年度卒業生 茶谷麻瑚さん『琵琶湖のヨシからできたデニム』(撮影:吉見崚)
2022年度卒業生 安村桃子さん『もんてあみ織をつむぐ』(撮影:吉見崚)
2022年度卒業生 松田花さん『mitte』(撮影:吉見崚)

大学院 選抜展示

通学課程だけでなく、通信教育課程や専門学校との連動企画も展示されました。
 

 

通信教育課程 連動企画

通学課程だけでなく、通信教育課程や専門学校との連動企画も展示されました。
京おどり特別企画「春」展は、通信教育課程のすべての在校生、卒業生に向けた公募展として、文章公募と平面小作品公募の二部構成で実施。まず「春」をテーマに詩や俳句などの文章公募を行い、次にそれらの文章の中から自由に選び取ったもの、または自身で書いた文章を元にイメージを広げ、平面作品として表現した作品たちが並びました。
卒業・修了制作選抜展」では、各研究室から推薦された5作品を選抜。日本全国、さらには海外から集った個性豊かな研究成果の中から、卒業生・修了生の輝かしい集大成が展示されました。また、普段はなかなか学内で拝見する機会の少ない「書画コース教員作品展」も実施。ご来場の方に向けて先生が作品の解説をする場面もあり、多くの人が耳を傾けていました。

京おどり特別企画「春」展(撮影:吉見崚)
卒業・修了制作選抜展(撮影:吉見崚)
書画コース教員作品展(撮影:吉見崚)


京都芸術デザイン専門学校「コミックイラストコース×京都の伝統産業プロジェクト」

「伝統的な日本の文化及び生活様式がのこる京都には国や市が指定する伝統産業が多く存在する。京都の伝統産業は衰退しつつある。とくに認知の向上と後継者の確保は大きな課題である。そこで、京都市の要望にもとづき、実際に伝統産業にたずさわる職人の方々と協力し、その魅力を発信するためのプロモーションツールとしてリーフレットと映像を制作した。制作の過程では実際の工房見学や伝統産業の現状を取材し、問題の解決に少しでもつながる提案を意識して取り組みました。」

京指物、京竹工房、箔押、結納飾・水引工芸をもとにキャラクターをデザイン(撮影:吉見崚)


KYOTO T5・WHOLE LOVE KYOTO 企画展

ギャルリ・オーブ前通路には、伝統工芸を用いた作品がずらり。KYOTO T5のブースでは、芸舞妓さんが愛用する「十三や」のつげ櫛、「京かつら今西」の京かつら、「ちょぼや」の草履、「小丸屋住井」の京丸うちわなどを展示。WHOLE LOVE KYOTOの展示では「HANAO SHOES」や「京都100年かるた」など、産地の特徴をぎゅっと凝縮した作品をご紹介していました。

芸舞妓さんの愛用品たち(撮影:吉見崚)
「HANAO SHOES」(撮影:吉見崚)
「京都100年かるた」(撮影:吉見崚)
様々な素材でできた「ICE CREAM GIFT」(撮影:吉見崚)


さらに会期中は企画展のみならず、人間館一体が京おどり一色に。赤地に金色の雲がデザインされた鮮やかな装飾が、お客さまをお迎えしていました。

京おどりに染まる大階段(撮影:吉見崚)
階段を上るとヤノベ先生の作品《KOMAINU ―Guardian Beasts―》が。窓には演目の内容が書かれています(撮影:吉見崚)
提灯の門をくぐり、京都芸術劇場 春秋座の中へ(撮影:吉見崚)
会場には演目の元となった「洛中洛外図屏風 舟木本」と歌舞伎についての展示も(撮影:吉見崚)
お帰りの際には大提灯がお見送り(撮影:吉見崚)


京都芸術大学ならではのアイデアが溢れる、様々な連携企画と共に開催された京おどり。現代だからこそ体験できる、伝統文化の魅力をお届けできたのではないでしょうか。それぞれのプロジェクトの今後の活動にも、どうぞご期待ください!

 

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    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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