REPORT2016.12.19

アート

田名網敬一 × 佐藤允 師弟が語ったもの  -超域ビジュアルイノベーター養成プログラム キックオフレクチャー Vol. 0

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  • 瓜生通信編集部

12月13日(火)に京都造形芸術大学 智勇館において、大学院芸術研究科 田名網敬一教授の「超域ビジュアルイノベーター養成プログラム キックオフレクチャー Vol. 0」が行われた。


「超域ビジュアルイノベーター養成プログラム 」は、在学生を対象に、来年4月より月に1回のペースで行う大学院主催の領域横断型プログラム。1960年代からメディアやジャンルの境界を横断して、アニメーション、実験映画、そして絵画、立体作品まで幅広く手掛け、現代の可変的なアーティスト像の先駆者として世界中の若いアーティストに大きな影響を与えている田名網教授が、様々なジャンルのゲストを招聘し、講演と課題制作・講評会を通して、学生たちが新生クリエーターとして社会で活躍するための後押しをしようというもの。


今回のキックオフレクチャーのゲスト講師は、情報デザイン学科卒業生の佐藤允(さとう・あたる)だ。


佐藤は田名網教授に大きな影響を受け、京都造形芸術大学入学を決意。入試合格後、大学に入るまでの課題提出で、当時情報デザイン学科の教授で田名網教授の教え子の現代美術作家 束芋に見出され、ギャラリー小柳に紹介。大学在学中からニューヨークやドイツなどで開催された展覧会で作品が完売になるほどの人気を博し、卒業後は「エスパス ルイ・ヴィトン 東京」、国外ではパリ「パレドトーキョー」に出展するなど、世界的に活躍するアーティストだ。


今回のキックオフレクチャーでは、田名網教授の2016年の最新作品《笑う蜘蛛》と、2013年にフランスのコスメショップ「Sephoraニューヨーク店」のために制作された《ADVENTURES IN BEAUTY WONDERLAND》の2本のアニメーション作品を鑑賞し、その後、佐藤がこれまでの自身の作品を紹介しながら、レクチャーを行った。


「こういう絵を描いて許されるのだろうか?という作品ほど、描いていてゾクゾクする」と話す佐藤の作品は、どれも奇抜。高校の頃までは、自分の絵をまわりに認めてもらえず、人に見せることもほとんどなかったが、田名網教授の作品と出逢い、「ここまで突き抜けていいのだ」と前向きになれたという。


佐藤は「自分は学生の時、先生に絶対服従すると心に決めた。先生から知らない作家の話を聞いたら、次に会うまでにその作家について学び、話せるまでにしていたし、どれだけ苦手な課題でも徹底的に向き合った。小さいことでも、ひとつひとつの機会を一生懸命やった。それが己を知ることになる。」と学生に訴えかけた。


一方、田名網教授からは、参加した学生に対し「アーティストとして独立していくのであれば、ただ描いて待っているだけではなく、ギャラリーに認めてもらう必要がある。力のあるギャラリーを知り、ギャラリーがどういうアーティストをあつかっているのかを学んでコンタクトをとっていくことが重要。」と、メッセージが送られた。

 

なお、4月にスタートする同プログラムでは、世界で活躍するファッションクリエーターやギャラリストがゲストとして登場する予定だ。来年春が楽しみである。

 

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  • 瓜生通信編集部URYUTSUSHIN Editorial Team

    京都造形芸術大学 広報誌『瓜生通信』編集部。学生編集部員24名、京都造形芸術大学教職員からなる。

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