REPORT2022.06.11

アート

現役アーティスト22名が集結。「逸脱する声 ― 京都芸術大学 美術工芸学科 専任教員展」

edited by
  • 京都芸術大学 広報課

2022年6月9日(木)から28日(火)にかけて、「逸脱する声 ― 京都芸術大学 美術工芸学科 専任教員展」がギャルリ・オーブにて開催されています。現役のアーティストである全専任教員22名が、第1期と第2期に分かれて「越境」をテーマとして絵画や立体、映像などの領域や技法、思想を柔軟に横断し、初期作から新作、コラボレーション作品までバラエティ豊かな作品が集結。これだけの人数でジャンルを横断した現役作家が集まる展覧会は、美術館レベルでもあまり見ることのできない貴重な機会となっています。

なお、本展は教員の成果発表としてだけではなく、学科間交流の機会としても企図されました。文芸表現学科の学生による教員インタビューに加え、グラフィックデザインは情報デザイン学科の学生が、会場の設営は美術工芸学科の学生や大学院生が担当しています。

「言葉の森」と題して、文芸表現学科の学生が、教員一人ひとりに芸術や創作について率直な思いを伺ったインタビューを会場内で紹介。

 

展覧会によせて

つねに反逆者あるいは逸脱者であること。それは時代や社会の要請にこたえる代わりに、自分自身の要請に忠実に、したたかに生きることである。社会は人を生かしもすれば殺しもするからこそ、人はこの心身を殺される前に、自分で自分を守るしかない。そしてすでに犠牲となった無数の人たちのかすかな声を受け取り、これからの人たちへ向けて、殺されない道がここにあるとささやくのだ。これが時空を超えた真の連帯の姿勢であり、芸術はその証明にほかならない。

ただしそれは、けっして声高に叫ばれることも、熱狂的に支持されることもないだろう。立ち止まって耳を澄ませなければ気づけないほどの、断片的でかぼそい声。時代に迎合し自らを強者と錯覚する者の耳には、到底届くはずもない。しかし例外なく有限のはかない命をもつ人間にとって、じつはそれこそが自らの尊厳を死守するための、ほとんど唯一の道ではなかったか。

だから、何があろうとも芸術を握りしめてその生をまっとうすると決めた人たちがいる。ここに集まるのは、22名の作家によるそのような試みの一部である。


竹内万里子(本展企画者、美術工芸学科 学科長)

 

会期中、出品作家によるインスタライブを定期的に開催しています。詳細は、美術工芸学科インスタグラムにて随時お知らせいたします。

https://www.instagram.com/kua_biko/

逸脱する声 ― 京都芸術大学 美術工芸学科 専任教員展

DEVIATING VOICES: Faculty Show of the Department of Fine and Applied Arts, KUA

会期 第1期 2022年6月9日(木)〜16日(木)
第2期 2022年6月22日(水)〜28日(火)
時間 10:00~18:00 ※無休、入場無料
場所 京都芸術大学 瓜生山キャンパス ギャルリ・オーブ
出品作家 第1期 池田光弘、神谷徹、川上幸子、河野愛、柴田純生、清水博文、髙橋耕平、仁尾敬二、東島毅、山田伸
第2期 出口雄樹、岩泉慧、金澤一水、菅原健彦、多和田有希、椿昇、福本双紅、ミヤケマイ、森本玄、矢津吉隆(副産物産店)、ヤノベケンジ、山元桂子
主催 京都芸術大学 美術工芸学科
企画 竹内万里子(美術工芸学科 学科長)
協力 京都芸術大学 文芸表現学科木村俊介ゼミ、情報デザイン学科見増勇介特別ゼミ

https://www.instagram.com/kua_biko/

 

京都芸術大学 Newsletter

京都芸術大学の教員が執筆するコラムと、クリエイター・研究者が選ぶ、世界を学ぶ最新トピックスを無料でお届けします。ご希望の方は、メールアドレスをご入力するだけで、来週水曜日より配信を開始します。以下よりお申し込みください。

お申し込みはこちらから

  • 京都芸術大学 広報課Office of Public Relations, Kyoto University of the Arts

    所在地: 京都芸術大学 瓜生山キャンパス
    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

お気に入り登録しました

既に登録済みです。

お気に入り記事を削除します。
よろしいですか?