REPORT2022.03.25

建築

かっこいい椅子、かわいい椅子、おしゃれな椅子、面白い椅子。― 環境デザイン学科「私の小さな椅子」

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  • 京都芸術大学 広報課

環境デザイン学科1年生の名物授業のひとつ、木材で「椅子」を制作する授業の合評が行われ、今年もさまざまな椅子が勢揃いしました。「18mm角の角材のみ」という限られた材料で制作されているのですが、そのバリエーションの豊富さに驚かされます。

 

美しい椅子はもちろん、
ほっこりした、
ぼーっとできる、
くつろげる、
無駄な、
不安定な、
おかえりと迎えてくれる、
どこでも馴染む、
小指で持てる、

など、創意工夫あふれる「椅子」の数々。

 

こちらの授業は、自分のサイズに合わせたひとりがけの椅子を実寸サイズで作ることで、人間のスケール感を知り、椅子に必要な強度や構造を理解したり、初歩的な空間構想力を養成することを目的としています。

もともと椅子の制作は一年次の前期の課題だったのですが、昨年、前期授業がすべてオンラインとなり、なかなかそのような実作業を伴う制作はできませんでした。そこで入学したばかりの一年生に果たしてどのような教育をすべきか改めて検討がなされ、前期は「模型」を、後期に「椅子」の実制作をすることになりました。

学びを止めないために ― 環境デザイン学科 学生作品模型展 2020
https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/728

 

テーマ
身体スケールの環境デザイン

目的と概要
与えられた材料を用いて、自分自身のための椅子を実作する。家具の実作に不可欠の三面図や原寸図の描き方を習得する。

課題名称
私の小さな椅子

課題主旨
・人体寸法はあらゆる環境デザインの基本である。その人体寸法と人間的なスケール感を理解する。
・素材と造形の関係を探る。与えられた素材の特性を理解し、その素材にふさわしい造形の可能性を追求する。
・設計から制作までのプロセスを学ぶ。着想やイメージをいかに具体化するか、そのプロセス(過程)のなかで、イメージスケッチ・模型・三面図・原寸図など、考えを発展させ具体化するための手法を修得する。
・構造について学ぶ。椅子には人体を支えることのできる強度の確保が必要であり、そのデザインには構造力学的思考が組み込まれていなくてはならない。その意味で椅子は建築の縮図であり、この課題を素材や構造によって造形を考えていく契機としたい。
・場所の空間イメージから造形を導き出す。椅子とそれを取り巻く身近な空間を一体的にデザインすることを通じて、初歩的な空間構想力を養う。
・限定されたコンパクトなサイズの中でいかに自身の思考実験を盛り込んだオリジナルなイスを実現できるか。

授業はまず、梱包用の箱づくりや人体寸法の計測から始まります。以前は「私の椅子」という名称で、必ずしも一人がけの椅子に留まらず、様々なサイズの椅子を制作していましたが、昨年から「私の “小さな” 椅子」と改め、最初に「430mm x 430mm  x 700mm」の箱を作り、それに入る大きさという規定を設け、材料も「18mm x 18mm x 1,800mm」の角材18本に限定したそう。一人で持ち運びができるほどのサイズ感です。

 

人体寸法の計測の後、人体模型制作、椅子三面図のトレースへと進み「アイデアスケッチ」を10案ほど考えます(A3ケント紙1枚にまとめる)。

 

そして、スタディ模型で再考し、教員によるアドバイスを受けながら木材加工へと進みます。

完成後、皆さんの作品を丸一日かけて一つひとつを講評し、しばらくの間、ギャルリ・オーブ前にて展示しました。

 

バラエティに富む椅子の数々。甲乙つけがたく、すべてご紹介したいところですが、優秀作に選ばれた8名の作品をご紹介します(順不同)。

 

臼井音葉さん(小野賞)

 

 

甲斐大賀さん(中村賞)

 

 

小島芽弓さん(井栗賞)

 

 

森田可友葉さん(中村賞)

 

 

西顧江里子さん(小野賞)

 

 

藤井志月さん(竹田賞)

 

 

道山芽生さん(松本賞)

 

 

木太聖さん(松本賞)

 

いかがでしたか?バリエーション豊かな「私の小さな椅子」の数々。いつ、どこで、誰が、なぜ、どのように使用するための椅子なのか、そのコンセプトを拝見すると、まだ入学間もない一年生ですが、深い考察がなされていることに驚かされました。今後の学びの様子にも注目です。

私の小さな椅子展

会期 2022年1月22日(土)~25日(火)
場所 ギャルリ・オーブ吹き抜け

 

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