京都造形芸術大学情報デザイン学科の学生4人が手掛けたアート作品が京都市営地下鉄東西線の東山駅に展示されています。住宅をモチーフにした明るい色調の壁画アート6枚が、無機質に感じがちな地下鉄駅を彩っています。
地下鉄のイメージアップと京都の文化芸術を発信するため、京都市と市内12大学が連携し、京都市営地下鉄の駅にアート作品を展示する「KYOTO駅ナカアートプロジェクト」を開催しています。8回目となる今回、東山駅を京都造形芸術大学が担当することとなりました。
プロジェクトに参加したのは、いずれもイラストレーションコース3年生の相場葵さん、長谷川文香さん、磯本朱里さん、岩城有香さんです。
今回のテーマは「あなたにとってphotogenic(フォトジェニック)な駅」。4人は写真を撮ってもらうためには、「異質さ」や「違和感」が重要だと考え、駅という公共の場にプライベート空間を組み込む面白さを楽しんでもらおうと、構成を話し合いました。
作品は縦3メートル、幅2~6メートルの壁画で、それぞれキッチン、リビング、寝室、トイレ、浴室、脱衣所をイメージ。明るいポップな色合いが目を引き、女の子が暮らすような部屋を表現しています。特徴的なのは、各部屋に備わっている小物のうち、バッグや帽子、シャンプー、シャワーなど約20種類を取り外して手に取れること。作品に入り込み、アイテムを使用しているような写真を撮ることができ、壁画でありながら立体的に楽しんでもらえる工夫が施されています。
メンバーはイメージ制作、データの取り込み、着色、資材発注と役割を分担し、京都造形芸術大学が誇る世界基準の工房「ULTRA FACTORY」の大型プリンターで印刷したものをスチレンボードに貼り付けました。今回の制作期間はわずか1カ月ほど。色の調整が難しく、試行錯誤を重ねたそうですが、磯本さんは「それぞれのメンバーの強みを生かせたので、限られた時間でもこれだけの作品を完成させることができた」と振り返ります。
駅での制作中も「明るくなるね」と通りがかった人から声を掛けられたといい、「アートを身近に触れられる場所として、写真スポットになってほしい」と相場さん。岩城さんは「パブリックアートのあり方を考えることは難しかったけど、作品を見た人が少しでもいい気持ちになってくれればうれしい」と思いを語ります。
4人のチームワークが存分に発揮された作品は、東山駅改札外の地下道で展示期限の5月31日(金)まで、人々の心と地下鉄駅を明るく照らしています。既にインスタグラムなどには写真が多数投稿されており、長谷川さんは「自分たちの作品を通して、会話やコミュニケーションがたくさん生まれてほしい」と話しています。
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