REPORT2023.08.08

「あまりもの」に新たな価値を。 ― 亀岡市役所「開かれたアトリエ」でイベント「かめばかむほどかめおか」を開催!

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  • 京都芸術大学 広報課

空間演出デザイン学科の3年生15名が、亀岡市役所の地下1階にある「開かれたアトリエ」で、⻲岡市の未来を担う若者に向けたイベント「かめばかむほどかめおか」を7月15日(土)に開催しました。

亀岡市はSDGs未来都市として、さらに「かめおか霧の芸術祭」を中心とした取り組みが内閣府選定「自治体SDGsモデル事業」に選定され、持続可能なまちづくりに積極的に取り組んでいます。
本学と亀岡市は2020年に協定を締結し、同事業を共同で推進。その一つの形として市民を交えたワークショップやコワーキング、作品展示、亀岡の農産物の販売、各種イベントなどにも使えるスペースとして「開かれたアトリエ」をオープンしました。

亀岡市役所地下1階「開かれたアトリエ」

「開かれたアトリエ」は、カフェやレストランのほか、市民を交えたワークショップや作品展示、各種イベントなどにも使えるスペースとして2020年4月にオープンしました。多様な使われ方をする中で、多くの人々が出会い、イノベーションを創出することが狙いです。

※(参考)遊び、食べ、学び、仕事もできる市役所カフェ。― 亀岡市役所「開かれたアトリエ」空間プロデュース https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/827

空間演出デザイン学科の3年生の選択ゼミである「亀岡ゼミ」では、亀岡市でのフィールドワーク、インタビューなどのリサーチをもとに、亀岡市内の公共の場でイベントを企画・開催しています。

亀岡市役所への企画提案のプレゼンでは、各種リアルワークプロジェクトでの活動で力をつけている学生も多く、プレゼンはとても好評でした。プレゼン後のミーティングでは、皆の意見を集約しやすいようオンラインのドキュメントで速やかにまとめるなど「お化け屋敷プロジェクトで培った力のおかげ」などと学生が言うように、各種プロジェクト活動と所属する専門科目との教育上の相乗効果を感じました。

企画への思い
プレゼン後のミーティング

授業では、まずは亀岡市でのフィールドワークやインタビューなどのリサーチをもとにイベントを企画。広報物・演出装置・什器など必要な制作物を役割分担し、グループで推進していきます。アートやデザインの視点から、身近なものや日々の暮らしから生き方のヒントとなる知恵や物語をみつけるという試みです。また、こうした地域交流を通じて、学生たち自身も暮らしを見つめ直すきっかけとなることを趣旨としています。

イベント前の準備
アイデアを出し合います

そして開催された「かめばかむほどかめおか」。亀岡市のことをリサーチしていく中で、空き家の問題やごみの問題を知っていった学生たち。今回は、本来捨てられるはずだったり、陽の目を浴びない「あまりもの」にスポットを当てたイベントとなりました。

また、人口比率的に少ない若者にもぜひこのイベントに来て亀岡の魅力を知ってもらい、地域活性化につなげたいという学生たちの思いもあり、ポップなチラシを作成しました。配色や、オリジナルのキャラクターもみんなで案を持ち寄って総選挙をして決定するこだわりぶり。

「かめばかむほどかめおか」という個性的なネーミングには、今回のイベントで観光地としての魅力だけではない、味わい深い亀岡を覗いてみよう!という思いが込められています。

メインイベントとなる申し込み制のワークショップは2つ。古民家の家財を使ってオブジェを作る「古民家の家財からオブジェをつくろう!」、そしてパラグライダーからつくるアップサイクルバッグ「HOZUBAG」のハギレのハギレ(ハギレを素材として再利用)や空き家に眠っていたボタンを使った「ハギレのクリアポーチをつくろう!」。どちらも大量生産・大量消費への反省として、新たな価値を与えて再生することで「創造的再利用」への気づきを与えるようなワークショップとして企画されました。

温かみのあるイベント空間                                       

「ハギレのクリアポーチをつくろう!」では、カラフルなハギレの入ったクリアケースを裁断し、好きなボタンや糸を選んでスタッフがその場で縫い上げます。

ポーチ作りに夢中の子どもたち

好きな生地・ボタン・糸を選んでミシンで縫います
ボタンをつけて仕上げ
オリジナルのクリアポーチが完成!

「古民家の家財からオブジェをつくろう!」では、事前に解体してある家財を組み合わせ、ボンドでくっつけて自由に作品を作ります。出来上がった作品は持ち帰るか、展示物として一緒にイベント空間を盛り上げることもできます。

オブジェ作り 何ができるかな?
古民家に残された家財をおしゃれな椅子にリメイク
可愛いオブジェができました

既成の材料ではないからこそ、世に一つとないオリジナリティあるオブジェやポーチの数々が完成。あまりもの「だけど」ではなく、あまりもの「だからこそ」という美しさがそこにはありました。

会場ではQRコードを読み取ると、おばけのパッチんが浮かび上がる楽しいAR体験も!

親子世代が多く、穏やかな雰囲気の亀岡市の奥には、実は若者向けの魅力もたくさん。亀岡市の中で出たあまりものたちの魅力をつかって、若者が亀岡市について深く知るきっかけを作りたいという思いで企画した今回のイベント。親子世代もたくさん参加し、当日のワークショップは終始賑わっていました

最後に、空間演出デザイン学科の3年生で本イベントの企画リーダーである劉 桜さんに今回のイベントの感想を伺いました。

「イベント企画は楽しいけど、難しかったです。企画自体を考えるのは楽しいけれど、どうやって目的のターゲットを集めるか考えたり、いろいろな人に連絡をとったり、準備物や期限など細かく決めなければならなかったり、イベントの裏側にはシビアな面もあります。また、子どもたちが来る可能性がある以上、危険なことはさせられないので、現実的にどうなのかと考えたり。イベントを運営する際の責任は大きいなと改めて思いました。イベントの運営が商品企画等と違うのは、イベント当日にトラブルが起こる可能性があるということ。予測不能なことがたくさん起こる場であり、柔軟性が大切だというのを感じました。同じ時間帯にワークショップに参加者がたくさん来た時は、スタッフの配置を変えたりとか。次の目標としては、目的とするターゲットにもっと来てもらえるように、広報面に力を入れていきたいです」

ワークショップは1日限定でしたが、空間展示は7月31日(月)まで行われ、一部の展示物はイベント終了後、みずのき美術館主催の画材循環プロジェクト「巡り堂」で使われる予定だそう。

今回のイベントのように、空間演出デザイン学科では空間デザインコースとファッションデザインコースともに地域の課題解決や企業連携による社会での実践的な授業をさまざま開講しています。

空間演出デザイン学科3年生ソーシャルイベントクラス

かめばかむほどかめおか

日程:2023年7月16日(日)〜7月31日(月)
時間:9時~17時(最終日は15時まで)
場所:開かれたアトリエ(亀岡市役所地下1階)
@kua.kameoka

※本イベントは終了しております

 

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