REPORT2020.12.14

デザイン

寄るもの 遺りもの 暮らしもの ― 情報デザイン学科「私たちの工芸 十ヶ条」

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  • 京都芸術大学 広報課

瓜生山キャンパス人間館一階のカフェスペースにて、情報デザイン学科2年生による展覧会「寄るもの 遺りもの 暮らしもの」が開催されています。「私たちの工芸 十ヶ条」を定め、自身が考える身の回りにある工芸品を見つけ、展示するという「工芸品の指す意味」を再定義するような試みです。

 

寄るもの 遺りもの 暮らしもの

自分の身の回りにあるものに
工芸品というフィルターをかけてみる。
そうすることでモノと自分の物語に気が付き、
当たり前になっていた存在が
自分に与えていた影響を知ることになるだろう。

こちらの展覧会は「リアライズ ※」というテーマを軸に、基礎的演習や課題制作を通して自分自身とデザインの可能性を模索するという授業の一環で開かれたもの。

前回の課題は「500円物産展」と題し、自分の生まれ育った場所をリサーチして、その土地ならではの物産を紹介していました。今回は、定めた「私たちの工芸 十ヶ条」に当てはまる、身近な「工芸品」を見つけ、展示しています。

※情報デザイン学科のビジュアルコミュニケーションデザインコースでは、応用・展開的なデザインスタディのフェーズとして、A領域「グラフィックス」、B領域「エンターテイン」、C領域「リアライズ」というテーマを軸に情報デザインを探究・実践する、3つの領域に分かれて学修します。

なんといっても特徴的なのは、その展示空間。再定義した「工芸」の視点の変化が鑑賞者自身に現れるような空間デザインとなっています。

会場の前を暖簾が覆い、鑑賞者は暖簾に掲載された「私たちの工芸 十ヶ条」を見た上で、中へと誘われます。暖簾が新たな視点で世界を捉えるための「フィルター」のように機能するのです。すると、展示物が工芸品に見えてくるから不思議です。


各工芸品にはキャプションとともに「十ヶ条」のどの項目に当てはまるかをグラフィカルに表示。選んだ学生とモノとの物語が浮かび上がってきます。


学生は「十ヶ条の視点で改めて自分の身の回りをみてみると、普段当たり前のように見ていたモノも工芸品と捉えることができ、意識が変わりました」と話します。

ちなみにタイトルの「寄るもの 遺りもの 暮らしもの」とは、「工芸」を辞書で引くと「塗りもの 瀬戸もの 細工もの」とあり、それをもじったものだそう。十ヶ条を上手く表現した良いコピーですね。

暖かさのあるロゴマークは、手彫りによるもの。


では今回は、せっかくですので展示されているものすべてをご紹介いたします。


今回の展示は、物事を直接的に解決する手段としてのデザインというよりも、人の態度や行動の変化を促す「問題提起」としてのデザインスタディだったように感じます。

ここに並ぶのは、特定の人のための、特定の答えではありません。豊かな未来を構想するうえで、いまの社会や課題そのものを疑い、問いを生み出す、所謂「スペキュラティブ・デザイン」を学ぶ課題になっています。これから学生がデザインの専門性を徐々に高めていくうえで、その土台となる重要な概念ではないでしょうか。

寄るもの 遺りもの 暮らしもの ― 情報デザイン学科「私たちの工芸 十ヶ条」

情報デザイン学科 2年生 C領域

会期 2020年12月10日(木)~24日(木)
場所 人間館一階 カフェスペース

 

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    連絡先: 075-791-9112
    E-mail: kouhou@office.kyoto-art.ac.jp

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