NEWS2019.06.11

京都建築

若さはチャンス、芸術で何ができるか考えよう―建築家・安藤忠雄さんが講演

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  • 京都芸術大学 広報課

日本を代表する建築家・安藤忠雄さんをお招きした講演会(京都造形芸術大学大学院学術研究センター主催)が5月29日(水)、京都造形芸術大学春秋座で開催されました。安藤さんがこれまでの歩みと進行中の取り組みを紹介し、学生に熱く語りかける講演会は4回目で、今回のテーマは「考える力」。安藤さんの力強いメッセージを聴いた学生は、創作活動への刺激と元気を受け取りました。

自身が設計した兵庫県立美術館で5月23日に一般公開された「Ando Gallery」や大阪・中之島に整備中の子どものための本を集めた図書館など、直近で手掛けられている案件を説明。兵庫県内での自身の全活動成果を紹介している「Ando Gallery」にはシンボルの青リンゴのオブジェが置かれており、「1回触ると1年長生きして、100回触ると100年長生きする」とユーモアたっぷりに話されました。

今回で4回目となる安藤さんの講演会。ユーモアを交えつつも言葉の節々に強い思いがにじんだ

大学に進学せずに独学で世界的な建築家になった自身の生涯にも触れられ、「好奇心を常に持って、大学を出ていないというハンディキャップを乗り越えてきた」と強調。京都で芸術を学ぶという意義に関して「京都には歴史的な寺院を見ながらデザインや建築について考えられる環境が山ほどある。これほど空間芸術を学べる場所は日本でも少ない。その良さを生かしたら、皆さんの可能性は十分に広がる」と述べられました。

講演会は一般の方々も聴講可能でしたが、ほぼ満員の客席の多くは若い方々でした。安藤さんは「若いということはそれだけチャンスがある。社会に、家族に、自分に、芸術を通して何ができるか考えれば、ますます大きな広い世界が見えると思う」と呼び掛けました。

安藤さんの熱い言葉がほぼ満席の会場に響きわたった

最後には京都造形芸術大学大学院生5人が登壇し、「これからの夢は」などと質問。安藤さんは「子どもに夢を与えること。今なら、子どもに本を読んでもらえるための図書館をつくること。夢は自分で考えてつくるということを教えていきたい」と答えられました。

「20代に戻れたら何をされたいですか」「建築、デザインで大切にしていることは」などと質問が相次いだ
サイン会には多くの人が列をなした

講演会の前後にはサイン会も開催され、その場で図録を購入した多くの人たちが安藤さんからサインをいただいていました。

 

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