REPORT2016.07.29

京都アート

目覚めるとアートがあるホテル ―ホテルアンテルーム京都リニューアルオープン

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  • 横山 優佳
  • 瓜生通信編集部

京都駅から少し南に下がった東九条に位置する「ホテルアンテルーム京都」をご存知だろうか。この施設は、もとは学生寮だったものをリノベーションし、「京都のアート & カルチャーの今」を発信するホテル、長期滞在型のアパートメント、ギャラリーの複合施設として2011年にスタートした。


この「ホテルアンテルーム京都」がオープンして6年目を迎える今年、「365日アートフェア」を新たなテーマに加え、67室を増室し、全178室の施設として今月リニューアルオープンした。


このリニューアルオープンを記念して、7月14日(木)よりホテル内ギャラリーで、京都造形芸術大学の共通工房「ULTRA FACTORY」が企画する展覧会<ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016>が開催されている。7月22日(金)の夕方には、ホテルのリニューアルオープンと本展のオープニングを兼ねたトークイベントが開催された。

登壇者(左から):中原典人、名和晃平、五十嵐太郎
トーク会場は立ち見が出るほどの盛況

 

トークイベントには、アンテルームの設計を担当した建築家の中原典人と、アートディレクションを担当する彫刻家で京都造形芸術大学教授の名和晃平、そして、モデレーターとして建築評論家の五十嵐太郎が登壇。

 

今回新しく加わった67の客室には、名和晃平率いる創作プラットフォーム「SANDWICH」、前出の「ULTRA FACTORY」、現代美術家で美術工芸学科長の椿昇が若手アーティストを支援するために組織した「アルトテック」の関係アーティストが多く出品しているため、京都造形芸術大学の在学生・卒業生が多数集まり、会場内はたいへんなにぎわいを見せていた。


トークイベントでは、2011年にアンテルームがオープンする際のいきさつから、オープン後にアンテルームを中心として地域にプラスのエネルギーが生まれてきた話、ホテルという場所にアートを展示することへの思いなどについて語られた。


「ホテルはアーティストにとって可能性の場」と名和。「寝るときも起きたときも目の前にアート作品があって、ここまで作品をじっくり見てもらえる場所はほかにありません。世界でもあまり例を見ない作品展示の形で、その成功例をつくれたらいい」とコメントした。


「ホテルアンテルーム京都」はアートファンには広く知られた存在。予約がとりにくいことでも有名だ。作品とのマッチングも上々で、このトークイベントが始まる前には、すでに4点の新しいアート作品に売却済みの紙が張られていたそうだ。

 

名和晃平の作品が設置された部屋
香月美菜の作品と部屋
岡田啓伸の作品と部屋
中小路萌美の作品と部屋

 


今回新しく増室された部屋に作品が展示されている京都造形芸術大学の関係者は、以下のとおり。


【1st Floor】
154: 名和晃平(大学院芸術研究科 教授)
156: 表良樹(美術工芸学科立体造形コース 2013年度卒業)
160: 木村舜(大学院芸術専攻 修士課程2年生)
162: 神馬啓佑(大学院芸術表現専攻 修士課程2010年度修了)
166: 小牟田悠介(美術工芸学科洋画コース 2006年度卒業)


【2nd Floor】
252: 水谷昌人(美術工芸学科洋画コース 2012年度卒業)
256: 橋本敦史(大学院芸術表現専攻修士課程 2014年度修了)
258: 大和美緒(大学院芸術表現専攻修士課程2014年度修了)
259: 児玉真人(元ウルトラファクトリーテクニカルスタッフ)
260: 小宮太郎(大学院芸術表現専攻修士課程 2009年度修了)
262: 森下茅(大学院芸術表現専攻修士課程 2015年度修了)
266: 熊谷亜莉沙(大学院芸術表現専攻修士課程2014年度修了)
268: 田邊(辺)真弓(大学院芸術専攻博士課程 2年生)


【3rd Floor】
351: 守屋友樹(大学院芸術表現専攻修士課程 2011年度修了)
352: 平松実紗(美術工芸学科 立体造形コース 2013年度卒業)
359: 井上裕葵(大学院芸術表現専攻修士課程 2015年度修了)
362: 竹内義博(大学院芸術表現専攻修士課程 2012年度修了)
364: 今西真也(大学院芸術表現専攻修士課程2014年度修了)
368: 森彩華(ウルトラファクトリーテクニカルスタッフ)


【4th Floor】
455: 石黒健一(美術工芸学科彫刻コース 2008年度卒業)
456: 木地彩(大学院芸術表現専攻修士課程 2015年度修了)
462: 原田和(美術工芸学科油画コース 2015年度卒業)
464: 富田直樹(美術工芸学科洋画コース 2011年度卒業)


【5th Floor】
551: 留岡愛子(美術工芸学科現代美術コース 2015年度卒業)
552: 藤岡美代(美術工芸学科油画コース 2014年度卒業)
553: 岡田啓伸(大学院芸術表現専攻修士課程 2006年度修了)
554: 大河原光(大学院芸術表現専攻修士課程 2014年度修了)
555: 顧剣了(美術工芸学科現代美術・写真コース 3年生)
561: 能條雅由(大学院芸術表現専攻修士課程2014年度修了)
562: 畠山元成(美術工芸学科写真コース 2014年度卒業)
566: 前端紗季(美術工芸学科現代美術コース 2015年度卒業)
568: 中小路萌美(美術工芸学科洋画コース 2010年度卒業)
569: 香月美菜(大学院芸術表現専攻修士課程 2015年度修了)


【6th Floor】
652: クマグスク 矢津 吉隆(創造学習センター 非常勤講師)
654: 名和晃平(大学院芸術研究科 教授)
662: ヤノベケンジ(美術工芸学科 教授)
668: 宮永愛子(美術科彫刻コース1998年度卒業)


【廊下・レストランなど】
古田充(美術工芸学科総合造形コース 2015年度卒業)
東條由佳(美術工芸学科洋画コース 2013年度卒業)
富田直樹(美術工芸学科 洋画コース 2011年度卒業)
品川美香(大学院芸術表現専攻修士課程 2015年度修了)

 

夜寝入るときも、朝目覚めたときも、アートがすぐそばにあるという濃密な空間を一度体験してみるのはどうだろうか。

ULTRA x ANTEROOM exhibition 2016

会期 2016年7月14日(木)〜 9月11日(日)
会場 ホテル アンテルーム 京都 GALLERY9.5(京都市南区東九条明田町7番)
時間 12:00 〜 19:00
お問い合わせ ホテル アンテルーム 京都 075-681-5656

ホームページ:http://www.kyoto-art.ac.jp/events/1318

 


〔トップ画像・ホテルの部屋の画像〕ホテルアンテルーム京都提供
〔文・その他の画像〕瓜生通信編集部

 

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  • 横山 優佳Yuka Yokoyama

    1995年京都府生まれ。京都造形芸術大学 文芸表現学科2014年度入学。編集を専攻し、主に取材、ルポルタージュ、雑誌編集などを学ぶ。趣味は日本酒探訪。

  • 瓜生通信編集部URYUTSUSHIN Editorial Team

    京都造形芸術大学 広報誌『瓜生通信』編集部。学生編集部員24名、京都造形芸術大学教職員からなる。

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